「えっ、“運転士”の年収スゴすぎ…」 人手不足で高待遇化、その結果…!「弁護士になるより鉄道会社」な英国

英国では列車の運転士が足りず、運休が頻発するなど社会問題化しています。そこで高待遇の求人が増加。「弁護士になるより、鉄道の運転士になる方が良いと考える若者が増えている」状況です。

もともと高給取りで、さらに高賃金化

 鉄道の運転士が圧倒的に足りていないために、その高賃金化に拍車がかかっています。英国の話です。運転士不足で運休が頻発するなど、すでに社会問題となっています。ところが、今後5年間でさらに旅客運転士の約22%、貨物運転士の約40%が退職する見通しだというのです(英紙フィナンシャルタイムズによる)。

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英国と欧州大陸を結ぶ国際列車「ユーロスター」(赤川薫撮影)

 イギリス運輸担当大臣が鉄道各社に運転士の育成を急ぐように通達したり、運転士になることのできる年齢を現行の20歳から18歳に引き下げたりと手を尽くしていますが、手っ取り早いのは、高給で希望者を募ることです。

 もともと英国の鉄道運転士は平均給与が高い傾向にありました。資格を取得するのに時間がかかる上に、たとえ資格を取ったとしても路線ごとに覚えなくてはならない知識が異なります。別会社から運転士を引き抜いても路線が違えば即戦力になりにくく、人手が足りないからといってすぐに補充できるわけではないという事情もあります。いわば「特殊技能」があるスペシャリストと見なされているわけです。

 また、労働組合が強いこともあります。1990年代に行われた鉄道民営化で鉄道運行会社は細分化されたものの、鉄道労働組合は分割されずに巨大なまま残ったため、運行会社と労働組合のパワーバランスが崩れているのです。しかも、ここ数年は運転士不足のために、運転士による強気の賃上げ要求を各運行会社が飲まざるを得ない状況になっています。

 これにより、2024年には鉄道運転士の給与が大幅に引き上げられ、とうとう英国で最も高給な職業の8位にランクインしました(英オンライン紙「ザ・テレグラフ」による)。

 では、給与はいくらなのでしょうか。英国の鉄道運転士で最も高い賃金を得ているのは、海底トンネル経由で英国と欧州大陸をつないでいる国際列車「ユーロスター」の運転士だそうで、その平均年収は8万7500ポンド(約1800万円)と驚きの金額です(英紙ロンドン・スタンダードによる)。

 東京メトロや住友商事がイギリス鉄道大手と共同出資する英ロンドンの地下鉄エリザベス線の運転士も、採用後3年目という若さで年収7万8301ポンド(約1600万円)に到達します。英国全土の鉄道運転士の平均年収は7万6327ポンド(約1570万円)といいますから、業界全体の高給化が進んだことが分かります。

【大動脈】東京メトロも出資する英ロンドン地下鉄(写真)

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