日英伊の新戦闘機開発「新メンバー」が続々!? 複数国が熱ぅ~い視線 欧州の計画“無期限延期”からの新局面に?

ドイツ、フランス、スペインが共同開発する新戦闘航空システム「FCAS」の計画が事実上、無期限延期となったと報じられました。他方、日本、イギリス、イタリアが進める「GCAP」も新たな局面を迎えつつあります。

GCAPは「参加国が増えるほど良い」?

 FCASの共同開発中止を見込んで、スウェーデンのサーブはドイツに対して、新戦闘航空システムの共同開発を持ちかけているようですが、GCAPにも動きがあります。

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日英伊で進めるGCAPの戦闘機の最新イメージ(画像:イギリス空軍)

 イタリアのグイード・クロセット国防相は、2025年12月4日におこなわれた議会公聴会で、GCAPへの参加国が増えれば増えるほど投資額の上限が大きくなり、より多くの人材を引き付けることができて、経済的利益が高まるとの見解を示しました。そのうえで、ドイツとオーストラリアがGCAPに参加する可能性があると述べています。

 GCAPには、サウジアラビアも参加に意欲を見せています。GCAP計画への新規メンバーの加入による開発期間の長期化や、サウジアラビアがイスラム教シーア派などへの武力行使を行っていることから、日本はサウジアラビアの加入に消極的な姿勢を示していますが、他方でイギリスとイタリアは加入に前向きな姿勢を示しています。とりわけイタリアのジョルジャ・メローニ首相は2025年1月に、「すぐにではない」という条件付きながら、サウジアラビアの参加を支持する意向を示しています。

 メローニ首相の言う「すぐにではない」は、サウジアラビアの航空・防衛産業がイタリアの大手防衛企業であるレオナルドの航空機や、同社も資本参加しているNHインダストリーズのヘリコプターなどを導入し、その生産に関与して経験を蓄積してから――ということを意味しています。

 この場合、サウジアラビアが参加するとしても、かなり先の話になると思われますが、2025年12月1日付のブルームバーグは、サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド」が、レオナルドの航空機構造部門への出資交渉を行っていると報じています。この話がまとまるようであれば、イタリアの支持を背景とするサウジアラビアの参加は前倒しされる可能性があると筆者は思います。

 日本とイギリス、イタリアが2023年12月に、GCAPを管理する国際機関「GIGO」の設立する条約に署名してから、2年が経過しています。3か国の思惑の違いなどから、まだ開発体制は盤石とは言えませんが、2025年6月には機体の開発を担当する合弁企業「エッジウィング」が設立されるなど、少なくともFCASに比べれば計画は順調に進んでいると見てよいでしょう。

 このため海外メディアでは、仮にドイツやオーストラリア、サウジアラビアなどが新規に加入したとしても、及ぼせる影響力と産業的収益は限定的なものになるとの見方が多数を占めています。ただそのような形であったとしても、GCAPは日英伊3か国のプログラムから、より広範なプログラムへと変貌していく可能性が生じてきているのはたしかだと筆者は思います。

【無かったコトになってる…?】これが「FCAS」の戦闘機が載る“はず”の空母の最新イメージです!(写真)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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