「黄色」の矢印信号が灯いても“何も来ない!?” さびるレール、無人の電停 広島で見られる「今だけ」の不思議な光景

広島の街なかにある大正橋交差点は、路面電車の線路があり電車用の信号も動作していますが、肝心の電車は一向に来ません。レールはさび、信号だけがひたすら電車を待ち続けています。

新たな「電車の交差点」も誕生へ

 比治山町交差点では線路が分岐していますが、駅前ルートが開業した現在は比治山下電停から松川町電停方面へ分岐するルートのみが運行されています。かつての皆実線側(段原一丁目電停方面)への運行は休止中です。

 これらの交差点や電停では、いずれも循環ルートの開業を待つ今だからこその雰囲気を味わえるとともに、大規模な工事が進んでいる光景も目にできます。

 旧本線・皆実線への分岐があった的場交差点は、今後は猿猴川を渡らない循環ルートのみとなります。当地を訪問した2025年11月末時点では線路が新しい方向に敷き直されるとともに、リニューアルへ向けた真新しいホームの工事も進んでいました。循環ルートの整備により新しい広島電鉄の光景が生まれそうです。

 稲荷町電停は、稲荷町交差点の南北と西側の電停が供用されていますが、東側の循環ルートの電停は工事の真っ最中。かつての本線の線路を活かしつつ、その姿を変えようとしています。

 今は南北と西方向のみ電車が往来している稲荷町交差点も、循環ルートが加われば東方向の電車が加わります。規模の大きな交差点で、連接車から単行車両まで各方面の電車が行き交う光景は見ていて飽きることがなさそうです。

 循環ルートの開業は2026年春とされています。現地では訪問時より工事がさらに進んでおり、電停の全容も見えつつあるようです。今回訪れた循環ルートの稲荷町交差点~的場交差点~大正橋交差点~比治山町交差点は、概ね1km強ほどで、散策しやすい距離でもあります。循環ルート開業前ならではの景色を楽しんでみるのも良いかもしれません。

【今だけ!】これが工事が進む広電の「循環ルート」です(写真)

Writer:

幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。

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