「バスは来ません」 JRバスが元「東京行き高速バスのバス停」を“老人ホーム”に寄贈した深い理由 なぜそこに「ウソのバス停」を?
ジェイアール東海バスが使わなくなった高速バスのバス停をある場所に寄贈しました。設置場所は「老人ホーム」。待てどもバスは来ない「ウソのバス停」が誕生しました。
「そこにバスは来ない」それが狙い
ジェイアール東海バスが使わなくなったバス停をある場所に寄贈。2026年1月23日に式典が行われました。
バス停が設置されたのは名古屋市千種区にある特別養護老人ホーム「なごやかハウス希望ヶ丘」の一角のベンチ横です。バスポールには時刻表なども掲出されています。ただし、この時刻表には「デイサービス送迎車の出発時刻です。一般の方はご乗車できません」などと書かれています。
つまり、これは「ウソのバス停」。ここで待っていてもバスは来ません。むしろ、「バスは来ませんから、中で待ちましょうか」などと声をかけるのが設置目的の一つだといいます。
これは、ヨーロッパから広まったという「罪のない嘘」と呼ばれる取り組みを採り入れたもの。帰宅願望のある認知症のお年寄りは、施設を出て交通機関で帰ろうとして、迷子になってしまうことがあるといいます。施設に嘘のバス停を設置し、そこで待ってもらうことで、気持ちを落ち着かせる効果を狙ったものだそうです。
頃合いを見計らって、職員が「バスは来ませんから、中で待ちましょうか」と促すわけです。
今回の寄贈は、なごやかハウス希望ヶ丘の発案にジェイアール東海バスが賛同して実現。なごやかハウス希望ヶ丘の木全 啓施設長は式典で、「バス停についてご相談したところ、熱心に耳を傾けてくれ、ご快諾いただいた。ジェイアール東海バス様には心から感謝申し上げる」と謝辞を述べました。
ジェイアール東海バスの小笠原 均社長は式典で「廃棄するバス停が、このように新たな役目を担って今後もお役に立てることはバス会社としてとても嬉しい」と話しました。
ちなみに、寄贈されたバス停は、2025年12月のダイヤ改正で廃止された「日進駅前」東京駅行き高速バスのものです。





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