韓国空軍「パイロットを“日本じゃ飛ばせない飛行機”で育てます」納得のメリットって? なぜ「日本ではNG」なのか
韓国空軍が初等練習機としてチェコ製のLSA(軽量スポーツ航空機)を採用しました。世界的にはコストパフォーマンスに優れた民間機を練習機に採用する流れがありますが、日本の現状はどうなっているのでしょうか。
日本の自衛隊にも導入のメリットは?
自衛隊では初等練習機にもタービンエンジンを搭載した高出力で高性能な練習機を使用しています。しかし、こうした機体は高価です。初めて航空機を操縦する初心者が、こうしたオーバースペックともいえる機体を用いることについて疑問視する考え方は以前からあります。米空軍では1960年代に初等練習機に大量生産されているセスナ社の4人乗りセスナ172型軽飛行機をT-41練習機として大量に採用して以来、今日においても使用しています。現在ではシーラス社製SR20軽飛行機もT-53練習機として採用しています。
さて、今回韓国空軍が採用した「ブリステル」は経済的で安全な飛行訓練が行えることが特徴です。自衛隊が使用しているタービンエンジン装備機に比べ取得価格も1時間当たりの飛行コストも格段に少なくなっています。これは、限られた予算の中で一人でも多くのパイロットを養成するためには重要な要素です。
費用対効果の面でLSAを使用して飛行訓練を行うことはすでに世界的なトレンドとなっていますが、残念ながら、日本では前述のとおり、実運航が認められていないという制約により、民間の飛行学校がLSAで飛行訓練を行うことができません。しかし、自衛隊であれば可能なはずです。防衛予算の効率化の面で韓国空軍の決定は大いに参考になるのではと筆者は考えています。
Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)
航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事





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