京急の「500両超え主力車両」に新バージョンがまた増えた! 新世代の銀色1000形、実際に見ると何が違う?

京急電鉄に、新しい形態の1000形電車が登場しました。1000形は京急の主力車両であり、2002年から製造が続いています。改良がその都度加えられた結果、同じ1000形でも外観や搭載機器に様々な違いがあります。

車体の製造方法を変更

 1000形は東急車輛と後継の総合車両製作所横浜事業所、川崎重工と後継の川崎車両で製造されています。総合車両製作所で製造されたステンレス車両は「サスティナ(sustina)」というブランド名があり、車内にも表示されています。

 今回登場した1702編成は、車体の製造方法を変更した新仕様のサスティナです。

 ステンレス製の車体は、ステンレスの部材を溶接して組み立てています。方法としては、抵抗スポット溶接が多く用いられてきました。スポット溶接は、2枚の板を重ね合わせ、これを電極で挟んで大電流を流し、熱を発生させて溶接する方法です。これにより、スポット痕や圧痕と呼ばれる丸い溶接の跡が残ります。

 近年のサスティナ車両は、スポット溶接に代わってレーザ溶接の箇所が増えています。今回登場した1702編成も、次世代のサスティナ車両としてレーザ溶接の適用範囲が増えたことが特徴です。レーザ溶接の採用により、溶接の際に生じる熱変形が小さくなり製作精度が上がっています。また、丸いスポット痕がなく、見栄えが良いのも特徴です。

 一例として、「吹寄」と呼ばれる窓の脇の部分は、車体の内側から補強の板が溶接されています。この部分は従来、スポット溶接が多く用いられていました。しかし、1702編成はレーザ溶接が多用され、スポット溶接は減っています。

 近年のステンレス製車体の車両は、スポット溶接を多用していても、溶接自体の工夫で跡が目立たなくなっています。1702編成も、遠目では溶接の跡は分かりにくく、照明の反射を利用して、ようやく溶接跡が目立つような撮影ができるといった具合です。

 1000形は、車内の内装や走行機器に違いがあるのも特色です。しかし、1702編成は2023年製の1701編成と大きな違いは見られません。「顔」も1701編成と同じですし、大形化された側面の行先表示器も引き継がれています。

 なお、1702編成に続いて1703編成も総合車両製作所で製造され、2025年度の車両として8両編成2本が揃う予定です。

 今後、1702編成で採用された車体の製作方法が他社の車両にも波及するのかもしれません。

【ここが違う】京急「シン・銀色1000形」の詳細を見る(写真)

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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