トランプ大統領「自分の名の戦艦だ!」なぜ今さら? レーザー&レールガン搭載の「21世紀の軍艦」じつは“戦艦”と呼ぶに相応しいかも

2025年12月、アメリカのトランプ大統領が突如発表した次世代の大型主力艦構想。これは、大統領自身の名を付けた「戦艦」であることが世界を驚かせたました。とはいえ、戦艦は一度滅びています。なぜ復活させるのでしょうか。

21世紀の戦艦の条件

 まず、トランプ級が既存のミサイル駆逐艦ならびに巡洋艦が備えている水上艦としての戦闘能力を最高レベルで保有するのは、確実です。

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湾岸戦争でトマホークを発射する「ウィスコンシン」(画像:アメリカ海軍)。

 現在の艦隊決戦では、ミサイルの搭載数がものを言いますが、トランプ級のVLS(垂直ミサイル発射装置)は、128セルと最大規模です。さらに軍艦としては初めて、極超音速ミサイル対処専用の発射機を12セル備えています。これはアメリカ海軍のズムウォルト級駆逐艦だけが実現している兵装です。さらに核運用巡航ミサイル(SLCM-N)の搭載も想定されています。これらを鑑みると、攻撃力ではまさに最強のプラットフォームなのは間違いありません。

 では、防御面ではどうでしょうか。

 近未来の海戦において最大の不確定要素がドローン兵器の介入です。トランプ級はこれに対して、1000kW級レーザーを目標とする高出力レーザーを軸とした防御システムのほか、32メガジュール級のレールガンの搭載も目指しています。どちらもまだ検証段階ですが、これらの防御兵器を運用し、かつ自身も大量のドローンを展開するにはスペースと莫大な電力が必要となります。

 冷戦期、大半の戦艦が急速に姿を消す中で、アメリカのアイオワ級戦艦だけが1990年代まで保持されたのは、その巨大な船体がミサイル搭載用プラットフォームとなり、巨大な電力を生み出せたことで、電子戦装備の更新が可能であったからでした。

 トランプ級が実現した場合、現行の戦闘艦艇より、スペースと電力の余力がかなり大きな軍艦となります。この「余力」こそが「艦隊決戦の主力」と「最強の攻撃力と防御力」の裏付けとなるのです。

 そう考えると、トランプ級は21世紀の国際関係と海洋戦略に合致する「戦艦」の姿を見据えている軍艦であると言えるのかもしれません。

 とはいえ、最近のアメリカ海軍の新型艦プロジェクトは、中止もしくは遅延ばかりです。政権が交代すると調達が見直されるなんてことも海軍に限らず、陸軍や空軍の兵器調達でもザラです。

 一方、トランプ大統領の任期は2029年で終了する予定です。トランプ級戦艦1番艦の就役はその後になると想定されるため、果たして彼の思惑どおりにプロジェクトが進捗し、就役までこぎつけるのか、注視する必要があるでしょう。

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Writer:

1973年生まれ、上智大学文学部史学科卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科中退。 雑誌編集者、ゲーム会社ウォーゲーミングジャパン勤務等を経て、各種メディアにて歴史・軍事関連の執筆や翻訳、軍事関連コンテンツの企画、脚本などを手がける。Youtube「宮永忠将のミリタリー放談」公開中。

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1件のコメント

  1. ・極超音速ミサイル対処専用の発射機

    ・1000kW級レーザー

    ・32メガジュール級のレールガン

    全部実用化できていない装備品を列挙して、「戦闘能力を最高レベルで保有するのは、確実です」とか断言するのはどうなんでしょうね?