「ホルムズ海峡“封鎖”できません!」 イランでも“絶対に無理”なワケ 国際法の視点から解説します
イランが世界のエネルギー輸送の大動脈ホルムズ海峡の事実上「封鎖」したとして、世界に衝撃が走っています。しかし、この「封鎖」という言葉、実は国際法上の意味とは大きく異なるようです。
イランの宣言は「封鎖」にあらず そのワケとは
それでは、今回のイランによる「ホルムズ海峡封鎖」について、法的にはどのように評価されるのでしょうか。
まず、今回の措置を「封鎖」と表現することに、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は違和感を覚えます。というのも、今回イラン側が宣言している内容は、国際法上の封鎖とはかけ離れたものであるためです。
あらためて、国際法上の封鎖は武力紛争の相手国の沿岸部での措置に限定されます。対して、イランはイスラエルおよびアメリカから攻撃を受けたことをもって今回の措置を実施するわけですから、本来であれば封鎖を行えるのはイスラエルおよびアメリカの沖合のみとなります。
しかも、ホルムズ海峡はイランおよびオマーンの領海から構成されており、仮にイランがオマーンを敵国として武力紛争を開始したとしても、結局自国の領海部分が残るため封鎖措置は取り得ません。そして何より、ホルムズ海峡は国際海峡であり、そこにおいては各国船舶の航行の自由が確保されなければならず、封鎖を実施することはできません。
また、イランはホルムズ海峡を通過する船を無差別に攻撃すると主張しているように思えます。しかし、封鎖とはあくまでも目的は海上交通の遮断による兵糧攻めであり、侵破船に対しては船体と積み荷の没収が許されるに過ぎず、無差別攻撃が許されるわけではないのです。
従って、今回の措置を封鎖と呼ぶことは適切ではないのです。実際、海外報道では封鎖を意味する「blockade」という表現はあまり用いられておらず、たとえばイギリスの公共放送であるBBCでは「blocking」や「closing」と表現しています。これを日本語に訳すとすれば、おそらく「閉鎖」や「通峡阻止」になるでしょう。
Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)
軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。





言葉の問題はどうでもいい。形は封鎖じゃないか。イランはアメリカのタンカーを通すとは言ってないけど。
言葉、法律上封鎖できても、実際は封鎖されてるのと同じだろ!!