青函トンネル先進導坑にゆがみ コンクリ剥落も JR北海道など対策へ

ゆがみの背景と今後の対策は

 生じているゆがみは、具体的にはトンネル内の路盤が隆起する「盤ぶくれ」(最大52mm)や、内空断面(トンネル内の幅)の縮小(最大47mm)です。

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盤ぶくれや内空断面縮小の発生模式図と、ロックボルト対策のイメージ(画像出典:JR北海道)。

 JR北海道によると、通常、トンネル周辺の地盤が強固であればトンネルに大きな力は作用しませんが、弱い地盤だと大きな力が作用し、盤ぶくれや内空断面の縮小などが生じるとのこと。ちなみに今回の箇所の盤ぶくれは2014年に確認されたといいます。

 これらのゆがみに対しては、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)とJR北海道による検討の結果、ロックボルトによる対策工事が行われる予定です。

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吉岡先進導坑内で確認されているコンクリートの剥落(画像出典:JR北海道)。

 なお、同じ箇所付近ではコンクリートの剥落も確認されています。これらの変状についても鉄道・運輸機構とJR北海道とで、費用負担も含めて対策を検討していくとしています。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. 出来てからもう30年だもんねえ
    真水の風雨にさらされるだけの地上建築物でも大規模修繕を重ねる時期ですわ
    ましてや高圧の塩水に曝されてるトンネルが大した修繕もされずに無傷なはずが無い
    いずれは本坑にも現象が出て来るだろうから早めに対処しておいた方が良い
    それこそ、二本目を作って貨物をそっちに移し、空いた夜間の時間をメンテにあてた方が良い

    •  たらればになってしまうし設計当時の運行計画などの影響だろうけど、単線トンネル2本(関門トンネル方式)で作っていたら新幹線の風圧問題対策が容易だったろうなとは思う。元々は新幹線専用トンネルの計画だったのかもしれない。かと言って今からもう1本作るとしても、建設費の都合もあるだろうし、建設計画が動き出してから完成までに何年、何十年かかる事やら。

  2. これでJR北海道は、倒産の危機が余計強まったな。

    • そういや、関門トンネルはこんな問題起こってないの?

    • 関門トンネルは4キロ弱な上に単線2本が別々になっているのでメンテナンスもしやすい構造なんですよね。