さよなら「空飛ぶ新幹線」 新しい方法は「レールが隆起」 JR東海・浜松工場

「全般検査」という、新幹線車両の大掛かりな検査を行っているJR東海の浜松工場。2017年1月、その方法が一新され、同工場の名物「空飛ぶ新幹線」も新しい形になりました。今度は「レールが隆起」です。

終わらない上昇 理由は「ある機械」を使うため

 車体は台車と分離したあとも、さらに持ち上げられます。「ある機械」を使うためです。

 浜松工場の全般検査で車体と分離した台車は「台車検修場」に運ばれ、徹底的な検査、メンテナンスが行われます。つまり分離した台車は、台車検修場へ運ばねばなりません。

 これまで浜松工場では、分離した台車を人力で運んでいましたが、新ラインでは台車を運ぶ機械を導入。その機械が車体の下に入れる十分な高さを確保するため、分離作業の終了後、さらに車体を上げるのです。

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台車(右)を運ぶ機械(2017年1月、恵 知仁撮影)。

 機械で台車を運ぶのも、新ラインで実現した「作業環境の改善」のひとつ。そのほか新ラインの、この車体上げ作業などを行う「解体場」と呼ばれる場所では、床面に照明を設置して明るい環境で作業できるようにする、車両に付着したちりなどを吹き落とす気吹き作業専用のブースを設け粉塵の飛散を防止する、といった「作業環境の改善」が実現しているそうです。

 また、以前のクレーンを使った車体上げ作業では、操縦する2名のオペレーターにクレーンの国家資格が必要。対し、新しいリフティングジャッキを使う方法ではそれが不要というメリットもあるといいます。

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「新幹線なるほど発見デー」でクレーンにつり上げられ、空を飛ぶ「ドクターイエロー」(2015年7月、恵 知仁撮影)。

 新ラインへの移行で、唯一の「空飛ぶ新幹線」が見られなくなったのは寂しい部分もありますが、その裏ではさまざまな改善が実現していました。また、レールが部分的に“隆起”して全長25mの新幹線車両が持ち上がっていく姿は、それはそれで非日常的で不思議な光景。今後、浜松工場の一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」でそれが実演されるかは不明ですが、行われた場合、この車体上げ作業はひきつづき人気を集めるかもしれません。

【了】

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