飲んだときの味方「運転代行」 料金どう決まる? 各地の「相場」は
クルマでの外出先でお酒を飲んだ場合などに、そのクルマを家まで運転してくれる「運転代行」の料金は、地域ごと、業者ごとに大きな差があります。同業者の協会も「一律に定められない」という背景には、何があるのでしょうか。
地域によっては初乗りで2000円以上の差も
クルマでの外出先でお酒を飲んだ場合などに、そのクルマを家まで運転してくれるサービス「運転代行」。公益社団法人の全国運転代行協会(東京都中央区)によると、交通手段の主体がクルマである地方都市を中心に発達したものだそうです。
運転代行は通常、ドライバーが2人1組になって行動し、ひとりが利用客のクルマを、もうひとりが「随伴車」と呼ばれる代行ドライバーを送迎するためのクルマを運転して、顧客を目的地まで送り届けます。その際、利用客は代行ドライバーが運転する自分のクルマに乗ります。
料金は多くの場合、タクシーと同様に初乗り料金と、距離に応じた加算料金とを基本として計算されますが、その金額や距離設定は業者によってまちまちです。タクシーでは地域のタクシー協会などが統一的な料金を定めていますが、全国運転代行協会によると、運転代行の場合は各業者が独自に料金を設定しているといいます。
運転代行業者の料金比較に基づき、各都道府県ごとの相場を掲載しているウェブサイト「運転代行検索DRIVERS.navi」によると、各地の主要都市における相場は以下のとおりです(2017年2月現在)。
・北海道:初乗り1228円、5kmまで2400円、10kmまで3867円
・宮城県:初乗り1717円、5kmまで2367円、10kmまで3367円
・東京都:初乗り3058円、5kmまで4185円、10kmまで5952円
・愛知県:初乗り2400円、5kmまで3233円、10kmまで4900円
・大阪府:初乗り2617円、5kmまで2917円、10kmまで4600円
・広島県:初乗り2133円、5kmまで2367円、10kmまで3550円
・福岡県:初乗り2300円、5kmまで2750円、10kmまで3750円
・沖縄県:初乗り875円、5kmまで1050円、10kmまで2050円
これによると、たとえば東京都と沖縄県とでは、10kmまでの料金に4000円近い差があります。なぜここまで大きく差がついているのでしょうか。
料金なぜまちまち? 統一ルールはできるのか
全国運転代行協会は、地域や業者ごとに料金が異なる理由を、以下のように話します
「料金のちがいには地域の地価や物価、賃金水準などが反映されていますが、随伴車1台を用いた家族営業に近いような事業者が多いことも影響しています。車両にかかる維持費用などのコストが、事業者の状況によって大きく異なるからです」(全国運転代行協会)
同協会によると、1事業所あたりの平均保有自動車台数は3.1台で、以前より減少傾向にあるそうです。そうしたこともあり、事業者どうしが連携してルールを決めていく機運がなかなか育たないといいます。
警察庁と国土交通省がかつて実施した実態調査では、運転代行に対して「安心できる業者がわからない」「料金システムが不明」という意見が多く寄せられています。全国運転代行協会は「料金については、『安いのか高いのかわからない』という声があるのも事実」としたうえで、「国や協会において料金を一律に定めることはできませんが、初乗り2kmまでいくら、1kmごとにいくら加算、という統一的な表示の仕方を、現在検討している」そうです。
また同協会は、「事業者は料金の詳細を説明する義務があるので、利用する際には、その説明を受けてほしい」と話します。
ちなみに、利用者を随伴車に乗せることは、営業許可を受けずにタクシー営業をする、いわゆる「白タク」行為に当たるため違法ですが、これを要求する利用者があとを絶たないそうです。同協会によると、「利用客が多くの場合酒に酔っていることもあり、随伴車への同乗を断ったら殴られたという話も、ドライバーからよく聞きます。そうした要求はしないでほしい」といいます。
【了】
もともとタクシー業界は、ヤクザが利用し、ヤクザが経営する。そういう業態。
代行業はその名残り。
当然地域色は根強い。
よって、全国統一は愚問。むしろ、100万都市部だけ特区とした方が話が早い。