「軽のタクシーは嫌だっ!!」…と思っているのは、お客じゃない? 規制緩和に冷ややかな業界 地方は歓迎?
国土交通省がタクシーへの軽自動車導入に関する意見募集を行っています。これまで使われなかった理由は、じつは事業者側の事情が大きく、普及のカギも事業者が握っている側面があります。
軽自動車導入でも、タクシー料金は同じ
ただ、利用者にとって重要な課題が、利用料金について、軽以外の普通車と同等を全タク連が求めたことです。パブコメ実施中の現行で、物流・自動車局は希望する営業区域への導入を前提に、運賃についてはパブコメ終了後に検討を考えています。全タク連は、これまでと同一料金を求めています。
維持コストが割安な軽自動車であれば運賃への反映も期待したいところですが、ここにも事情があります。冒頭のタクシードライバーはこう話しました。
「今の営業車の区分になる前には『小型車』と『普通車(中型車)』があったんですよ。小型車は乗客定員3人、普通車は5人というのもあって、定員が少ない分だけ安かった。でも、小型車乗り場にはほとんどタクシーの待機がなくて、いつもトラブっていた。タクシーのドライバーは歩合がほとんど。同じ労働で実入りが少なくなるから、運転する人が少なかったんですよ」
タクシーの小型車は、車両の変遷で定員の差異がなくなり、東京23区ではほぼ10年前に姿を消しています。タクシー各社で運賃を決定できる余地も生まれ、車種で一律に価格を決定するスタイルから、経営戦略による運賃決定も柔軟になった側面があります。
それでもなお軽自動車のタクシーを“解禁”する最大の目的は、軽サイズに慣れた女性ドライバーの採用をしやすくすることなどから、地方部の人手不足解消に役立つことが期待されています。タクシーも公共交通のひとつと考えられていますが、地方部でのタクシーは予約すら受付できない状況が各地で生まれています。タクシーの選択肢が広がるというより、タクシー維持のために背に腹はかえられない、という地域が待ちわびている施策かもしれません。
こうした背景もあり、軽自動車のタクシー導入も全国一律で歓迎されているわけではありません。では、利用者はどう考えるか。国交省のパブコメは5月16日まで受け付けています。
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。





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