「港をまたぐ巨大橋」+「くるくる回るループ橋」が合体!? 走ってビックリ「県内最長の橋」 まるでペンパイナッポーアッポーペンみたいな構造
熊本県の天草に架かる「県内最長の橋」。実際に走ってみると、その構造はあまりに意外でした。全く異なる構造の2つの橋が「合体」しているのです。
港に架かる橋の「あり得ない」構造
鹿児島県北西部の長島町から「三和フェリー」に乗り、熊本県天草下島の南端、牛深港へ向かいました。雨で景色が台無しと嘆いていたところ、フェリーに近づいてくる牛深港を見ていると、巨大な橋が架かっているのが見えました。
その橋はかなり高い位置で牛深港をまるごと跨いでいる構造が伺えましたが、左舷方向の光景に度肝を抜かれます。巨大なループ橋がするすると地上へ下りているのです。「どんな構造をしてるの??」と、上陸して早速走ってみました。
この橋は1997年に完成した「牛深ハイヤ大橋」です。地元の「牛深ハイヤ節」にちなむようで、マスコットキャラクターに「牛深ハイヤちゃん」もいることから、地域でよく使われているワードなのでしょう。ハイヤは“大漁”を意味するそうです。
橋の全長は883mで熊本県内最長。グーグルマップを見ると、深く入り込んで起伏のある牛深湾内を大きな弧を描くようにまたいでいることがわかります。漁港の北側にある橋の入口に向かいました。
平地から急勾配で高度を上げて、さっきまでいた牛深港の上空をまたいでいるのがわかります。晴れていればきっと絶景だっただろう……と思っていたら突如、橋の上に丁字の交差点が出現。そこを左折すると、先ほど見たループ橋で一回転しながら高度を下げ、地上に下りました。
このループ橋が取りついているのは、牛深港を構成する離島の「下須島(げすしま)」です。高低差を稼ぐために、橋の端部がループになっている構造はいくつか知っていますが、まさか、「橋のどてっ腹にループ橋がくっついている」構造だとは思いもよりませんでした。
天草下島側から見ただけでは、このループの存在にも気づかないかもしれません。頭の中で描いていた橋の形と、実際に走っている道路がまったく一致しない、騙されたような感覚です。
さらに、下須島は西側でもう一つの赤いアーチ橋「通天橋」でも天草下島とつながっています。この橋は下須島からだと牛深ハイヤ大橋と交差するように見え、「まさか、この橋もくっついてるの…?」と思いましたが、実際には牛深ハイヤ大橋の西詰、丘陵上の交差点で両者が接続していました。
牛深ハイヤ大橋は他にも、歩道が車道より一段低く造られ、魚のうろこのような風除板が並ぶなど、普通の橋にはない工夫が詰め込まれているそうです。デザインを担当したのは、関西国際空港でも知られる建築家レンゾ・ピアノ氏や、ロマンスカーのデザインでも知られる岡部憲明氏ら。「一本の線を海に浮かべる」という思想で吊橋や斜張橋ではなく、あえて連続桁橋を採用したといいます。きわめて芸術性も高い橋といえそうです。
そんな橋を渡って、「ほら、ピコ太郎のアレみたいだな。港に架かる橋とループ橋を『アンッ!』てくっつけて……」「あー、ペンパイナッポーアッポーペンね!確かに!」ーー同行者とそんな会話が生まれました。





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