東京23区の「無料巡回バス」、なぜタダ? 地域の「足」確保だけでないメリットとは

子どもに人気の「名物」無料バス しかし現在は危機的状況!?

 バス会社などではなく、地域の企業や団体が運営する無料巡回バスも存在します。

パンダバス(浅草)

・運行区間:ROX前→田原町駅ぱんだカフェ前→雷門→とうきょうスカイツリー駅前→花川戸→東武浅草駅→二天門→浅草見番→ROX前
・運行日:現在不定期(2017年7月30日、9月17日、18日は運行。ただし9月はルート変更)
・運行時間:10時から17時まで約40分間隔(便によっては二天門、雷門止まり。13時台は運休)

 パンダをかたどった小型バスが、浅草エリアと東京スカイツリー周辺を巡回します。運営するセグラスドライブ(東京都台東区)は、イベント企画や劇場の運営も行う地元の会社で、広告収入で運行費をまかなっています。しかし2017年7月26日現在「諸事情によりスポンサーが一切なくなってしまったため運休しています。夏休みで運行を楽しみにしている子どもも多いため、7月30日(日)は運転しますが、8月については未定です」とのこと。新たなスポンサーを募集中だそうです。

 セグラスドライブは「もしも運行しているのを見たら、ぜひ手を振ってください。パンダバスは目の部分を動かしてウインクします」と話します。乗車したい場合は、「ウェブサイトで運行情報を確認してほしい」とのことです。

サンクスネイチャーバス(自由が丘)

・運行区間:「八雲ルート」自由が丘駅正面口→日能研→緑ヶ丘文化会館→自由が丘インターナショナルテニスカレッジ→モンサンクレール→自由が丘駅正面口、「駒沢公園ルート」深沢ハウス→自由が丘クリニック→ラ・ヴィータ→自由が丘駅南口→高橋建設→深沢ハウス、「産能大ルート」自由が丘駅正面口~産業能率大学
・運行日:八雲ルート、駒沢公園ルートは水曜除く毎日、産能大ルートは平日のみ(2017年8月7日から18日は運休)。いずれも年末年始運休。
・運行時間:八雲ルートは12時から21時30分まで約30分間隔、駒沢公園ルートは11時25分から20時50分まで約35分間隔(一部時間帯除く)、産能大ルートは8時から11時ごろまで約20分間隔

 周辺の住民有志が中心となった「サンクスネイチャーバスを走らす会」が1997(平成9)年から、地域の企業や商店、個人からの会費で運営しています。2台の小型バスは、周辺地域から集められた天ぷら油などの廃食品油を活用したリサイクル燃料「VDF(Vegetable Diesel Fuel)」で走ります。

 平日朝時間帯は、自由が丘駅と産業能率大学(世田谷区)のあいだを往復して通学輸送を担い、日中から夜にかけては八雲ルート、駒沢公園ルートの2ルートで巡回運行しています。サンクスネイチャーバスを走らす会によると、「おもに自由が丘から少し距離があるところにお住まいの方が買い物や、夜の帰宅にご利用いただいています」といいます。誰でも乗車できますが、「朝の自由が丘駅からの産業能率大学行きは、大勢の学生さんが利用します」とのことです。

※ ※ ※

 地域の協力によって成り立っている無料巡回バスは、「パンダバス」のように協力が途切れたことで運行が困難になるケースも存在しますが、単なる「足」としてだけではない様々な波及効果が期待されているようです。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 市営バスが高いから?それならとイケヤでコーヒー飲んで無料バスで新横に出てるよ、確かに地域に人を呼び込むには無料はいいかもしれない、

  2. そりゃあ、スポンサーになる企業が多い東京都内だから出来るんでしょう。例えば同じ東京でも多摩市とかでやったら・・・