道ならぬ道も? 「点線国道」! 階段ほか、「酷道」以上に高難易度な国道とは?

消えゆく「点線国道」 2023年にはまたひとつ?

――点線国道は今後、なくなっていくのでしょうか?

 点線区間はあくまで暫定的に指定された区間であり、そもそもが消えゆく運命にあります。長距離の点線区間が消滅した直近の事例としては、2008(平成20)年に廃止された福島県の国道289号「甲子(かし)峠」区間があります。ここは“登山道国道”として有名で、登山道脇に設置されていた「おにぎり」の立ち姿がシュールなことから人気でしたが、クルマが通れる国道289号「甲子道路」が開通したその日に登山道のほうの国道指定が解除されたことで撤去され、インターネット上ではこれを惜しむ声も多くみられました。

 今後なくなるものとしては、同じく国道289号のもうひとつの点線区間である「八十里越」区間が筆頭の候補です。2023年度に新道の開通が見込まれています。

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新潟・福島県境に位置する国道289号「八十里越」区間。建設中の新道はこの区間をトンネルで越える(松波成行撮影)。

※ ※ ※

「点線国道」のほとんどは、国道であったとしても実質は登山道、あるいは道として整備されておらずほとんど自然に還っているような険しい道のりで、それぞれの両端は公共交通機関も皆無だといいます。松波さんは、もしも通行を試みる場合は「油断や慢心が事故や遭難にもつながるので、計画を事前に立案し、季節の選択とそれに応じた十分な登山装備が必要です」と話します。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. 明治時代の高規格道路、どの位の規格だったんだろうか。しかしどうもお役所仕事の典型としか思えないわな。

    • 営利目的でされてもどうかと思いません?

  2. 国道371号の未開通部分は、車も通れる林道で迂回できます。