トヨタ「スープラ」(国内初代) 時代とシンクロした出世魚、その目覚ましい進化とは(写真14枚)

最後のマイナーチェンジは次代への布石、道は本格スポーツへ

 1990(平成2)年には、前記した税制の改正のより、排気量アップでの負担が減ったことから上級エンジンも3.0Lから自動車馬力規制いっぱいとなる国内最強の280psを発揮する新世代の2.5L直列6気筒ツインターボエンジンに換装。この際、最も走りに振ったグレードである「2.5GTツインターボR」を追加。ビルシュタイン製サスペンション、レカロシート、MOMOステアリングなど、欧州製の走りのアイテムを採用し、硬派なイメージのモデルに仕上げられていました。

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マイナーチェンジで、新たなトップエンジンとなった2.5L直列6気筒ツインターボエンジン。当時、国内最強クラスとなる最高出力280psを発揮(画像:トヨタ)。

 それまで歴代モデルを通して北米市場を意識し、どこかアメリカンな雰囲気を醸し出していた「スープラ」のなかでは、欧州テイストを強く意識させる「2.5GTツインターボR」は独特の雰囲気を放っていました。しかし、このモデルこそが、本格スポーツカーへと進化を遂げる2代目(国内)「スープラ」の挑戦を市場に示す布石だったのかもしれません。

「セリカ」の兄貴分的なスペシャルティカーとして生まれ、最終的には「ソアラ」に並ぶスポーツカーへと出世を遂げた「スープラ」。それは、まさに驚異の経済成長を遂げ、世界に存在感を示した日本の歩みとも重なる、まさに時代を象徴する一台だったのではないでしょうか。

【了】

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テーマ特集「【自動車】シルビア、プレリュード、セラ… 今も色褪せない旧車の魅力とは」へ

Writer: 大音安弘(自動車ライター)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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コメント

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4件のコメント

  1. 昔は5ナンバー枠でも大きく魅せられた車は沢山あった、今は逆に5ナンバーが珍しいくらいですね、セリカXXからスープラ、海外名で売り出すことの効果、3ナンバー車への憧れの証だったのでしょうか?今でも狭い日本の駐車場事情からすると5ナンバーは熟有り難い存在だと感じますがね

  2. 3.0limitedに乗ってました。
    今は中古もなかなかなくて、出てたら欲しいくらい。
    ほんとにバブリーな車でした。
    またこういうスポーツカーを作って欲しいなあ…

    • 3ナンバー実に羨ましい!俺は中古の2代目XXの1G-GE中古5MTでした。中国道の津山近辺で渋滞にはまってたら突然クラッチが切れっぱなしになって立往生!原因はブースター何じゃら?言われたけど後も7年使いました。

  3. 初代(国内)がソアラと車台共用された理由はスープラがソアラに寄ったというより
    セリカがFF化されたので直6が積めないのでセリカファミリーから出て行かざるを
    得なかったという理由のほうが大きいと思いますがね。