エンジンルームに猫、なぜ侵入? 乗る前の「猫バンバン」は夏も必要か

クルマのエンジンルームに猫が入り込むことがあり、ドライバーの存在を猫に気づかせるためにボンネットを叩く運動を日産が広げています。冬に多いようですが、じつは夏にも注意が必要なようです。そもそもなぜ、クルマの中に猫が入り込んでくるのでしょうか。

エンジンルームには「穴」が空いている

 クルマのエンジンルームに猫が入ってくることがあるようです。

 長野県に住む30代男性ドライバーは、「冬の寒い時期、エアコンから生き物の臭いがするのでボンネットを開けてみたら、猫の毛だらけで、ボンネットの内張りには爪でひっかいた跡も無数にありました。エンジンを止めたあとのエンジンルームは暖かいので、知らないうちに猫が寄ってきていたのでしょう」と話します。

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クルマの下にたたずむ猫。エンジンルームに入り込むこともあるという。画像はイメージ(画像:photolibrary)。

 猫が入り込んだままエンジンをかけると、悲しい事故につながります。このことから日産は「猫バンバンプロジェクト」と題し、猫に存在を知らせるためエンジンをかける前にボンネットを叩くことを広めています。

 日産は2015年11月に公式Twitterで「#猫バンバン」を発信し、2016年1月には特設サイトも立ち上げてこの活動を推進してきたといいます。同サイトには「寒くなると街の猫たちがエンジンルームやタイヤのあいだに入ってしまうことがあります」とあるなど、おもに冬が想定されていますが、前出の男性ドライバーは、「猫の存在に気づいたのは冬でしたが、エアコンの臭いの蓄積を考えると、それ以前からすみかになっていたのでしょう」といいます。

 夏でも猫が入り込んでくることがあるのでしょうか。日産に聞きました。

――そもそもなぜ猫がクルマの中に入ってくるのでしょうか?

 エンジンルームには穴が空いているからです。車種によって穴の大きさやエンジンルームの内部構造は異なりますが、タイヤの隙間を伝ってエンジンルームに入ってくる場合もあります。

――夏でも猫が入ってくることはあるのでしょうか?

 冬に多いですが、1年を通じてそうした事例はあります。

エンジンをかけてからでは手遅れに? 対策は

――エンジンをかけてからでは手遅れになるのでしょうか?

 そうなってしまうケースもあります。というのは、エンジンルーム内のベルトやプーリー(ベルトがかかる滑車部分の部品)が、エンジン始動と同時に回転し、これらに挟まれてしまうことがあるからです。

――猫が入り込まないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?

 エンジンルームの穴はエンジンの熱を逃がすために重要で、機能的に意味があるものなので、これを完全にふさぐことは難しいのではないかと思います。もちろん駐車環境はお客様ひとりひとり異なるものですが、シャッター付きのガレージなど猫が入り込まない場所にクルマを置くことが有効だと思います。

※ ※ ※

 日産は、もしも悲しい事故が起こってしまった場合は「部品の交換が必要になることもあるので、ディーラーや整備工場に相談した方がよいでしょう」といいます。

 前出の男性ドライバーは、幸いにもエンジンルーム内での事故は起きなかったそうですが、整備工場に相談したところ、バッテリーカバーを交換したり、エアコンの脱臭をしたり、市販の金網などでエンジンルームの穴にカバーをしたりしてもらったそうです。それ以降は「猫バンバン」をするようになったこともあり、猫が入ることはなくなったといいます。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 猫って狭くて暗いところが好きですからね。車のエンジンルームならまだいいけれど、建設機械とか鉄道車両の機械の隙間にはいりこまれたら・・・うわ、怖。
    まあ聞いたことない、かもしれないけれど、逆に話題にならないだけで結構そういうケースはあるかも。

  2. ニッサンのL型積んだ車種なんて猫御殿でしたよ、我が家に住み着いたニャンコ先生なんて俺のオンボロ中古セドリックのL28(因みに330末期)エンジンの上で東照宮の眠り猫でしたよ、