「ふつうじゃない」鍾乳洞! 洞内の川を前進、体型によっては入れない修行の場も

修行のための鍾乳洞!?

 だが、狭いという点ではもっとすごい鍾乳洞がある。

 徳島県上勝町にある四国遍路の別格霊場慈眼寺(じげんじ)。ここに穴禅定(あなぜんじょう)なる修行の場があって、これがかなり狭い鍾乳洞なのだ。

 境内には事前に洞内の幅を体験できる2枚の石の板があり、その間を通れない人は穴禅定に入れない。それを見る限り、肥満体の人は無理そうだ。

 納経所で修行用の白衣を借りると、入洞前に不動明王に手を合わせ、片手にろうそくを持って、案内人の後について体の大きい人から順に入っていく。大きい人ほど通り抜けるのにアドバイスが必要になるからだ。

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穴禅定入りロへ(画像:上勝町役場)。

 穴は最初から狭く、体を横にしないと通れない。不自然な体勢のまましゃがんだり、後ろを向いてお尻から入ったり、左手ででっぱりを持って体を引き上げるなど、体を通す手順が決まっている。案内人の指示なしでは通り抜けるのはとても無理だ。

 そうやってアクロバットのような体勢を次々に繰り出しながら進むこと約30分。ようやく最終地点の広めの空間にたどりつく。そうしてそこで般若心経をあげたらまた来た穴を戻るという、かなりの荒行である。そのぶん穴から戻ったときには、充実感でいっぱいだった。

 閉所恐怖症の人には無理そうだが、ふつうの鍾乳洞に飽きた人、そしてもちろん心の修行をしたい人におすすめである。

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『旅行読売』2017年10月号。特集は「初めてでも大満足 あの名湯でひとり泊」と「元気な商店街」。

・旅行読売(Fujisan.co.jp)
http://www.fujisan.co.jp/product/2782/ap-norimono

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 入水何度も行きました。
    奥まで行かれる際は岩で服が痛みますので捨ててもいい格好で入ることをおすすめします。
    濡れたくない方は岩手の安家洞もおすすめです。
    大雨の後などは入洞出来ない事もあるので遠くから行くなら事前に確認した方が良いです。