【動画】陸自「ガンタンク」の強さとは? 攻撃ヘリ、ひとたまりもなく 87式自走高射機関砲(写真:11枚)

陸上自衛隊に「ガンタンク」と呼ばれる装備があります。87式自走高射機関砲です。装甲を持つ攻撃ヘリも、その弾が命中すればひとたまりもないといいます。どのような能力を持っているのでしょうか。

見せてもらおうか 陸自「ガンタンク」の性能とやらを

 陸上自衛隊の87式自走高射機関砲には、「ガンタンク」という非公式の愛称があります。

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富士総合火力演習「総火演」で射撃する陸自の「ガンタンク」87式自走高射機関砲(2017年8月、恵 知仁撮影)。

 陸自の「ガンタンク」は、35mm二連装高射機関砲を74式戦車の車体に搭載した、局地防空用の自走型近距離対空火器。捜索・追随レーダーと射撃統制装置が連動し、ミサイルに比べ射程は短いものの、砲弾の初速や命中率が高いという特徴があります。

 また機関砲は炸裂弾で、当たったら爆発するため、装甲のある攻撃ヘリでも、命中すればひとたまりもありません。

「地対空ミサイルのような誘導はありませんが、機関砲はいちど発射されたら妨害不可能という利点があります。隠されていた『ガンタンク』に撃たれたら一巻の終わりです」(航空軍事評論家 関 賢太郎さん)

 この「ガンタンク」がいるだけで、敵航空機は接近困難といいます。しかし高価なため、52両しか生産されませんでした。

 ちなみにこの87式自走高射機関砲、公式の略称は「87AW」、公式の愛称は「スカイシューター」です。

陸上自衛隊 87式自走高射機関砲

乗員:3人

全備重量:約38t

全長:7.99m

全幅:3.18m

全高:4.4m(起立)

速度:約53km/h

エンジン:空冷2サイクル10気筒 ディーゼル機関 720ps/2200rpm

武装:35mm(エリコンKDA)高射機関砲

開発:防衛庁技術研究本部

製作:三菱重工業(車体) 日本製鋼所(砲塔)

【了】

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コメント

13件のコメント

  1. しかし、30年前の兵器で、しかもろくに近代化改修を行っていない少数(最低でも5倍は必要だったはず)の兵器に、小型ドローンに対する攻撃能力があるかどうか。あと、後継兵器はどうなる?携行式対空ミサイルと近距離対空ミサイルの射程の隙間を埋め、超音速ミサイルからドローンまで、あるいは場合によっては地上制圧射撃も可能で、不整地走行能力も路上高速機動能力も必要で、しかも安い、となると、こりゃあ問題だ。最低でも30ミリ級の機銃(可能なら近接信管付き)と携行ミサイル(せめて6発以上)は必要だし。下手すりゃ後継なし退役かも。

    • ついでに。重量(自走前提なら20t以内、トレーラ移動前提なら40t以内)、全幅(自走前提なら2.95m以内)、全高(自走前提なら移動形態で3.5m、トレーラ移動前提なら移動形態で2.5m以内)、全長(最大でも10m以内が望ましい)の制限も考えないとまずいし。外国製を導入してもそれらの制限をクリアしないとまずいし。

    • 全幅間違い。2.5m以内でした。いづれにしても海外装備の輸入は困難。いっそ機銃を射撃指揮車に牽引させる方法でも取りますか。どのみち後継装備の研究は待ったなし。

  2. この手の近接兵器は数が揃わなくては意味がないのにね。司令部とか拠点防衛さえ出来れば良いと考えているのか。

  3. 昔、本件87AWがAWXと呼ばれていた頃に、開発の一端に携わっておりました。

    PIT-ROAD社製のプラモデルも手元にあります。

    そして今、こうして取り上げていただいていることは、たいへん嬉しくもあり驚きでもあります。

    • 差し支えなければ開発エピソードなど是非お願い致す。

  4. 87式の性能面の記事はともかく、装甲があっても炸裂弾だから、のくだりはおかしい。

    通常炸裂弾は瞬発信管なので対装甲には不向き、装甲目標には徹甲弾もしくは成型炸薬弾でしょう。

    この場合は徹甲弾ですがね。

  5. ↓ドローンなんて、通信妨害で速攻無力化出来ますしおすし。

  6. 40年も前の1978年に開発が始まり、1987年に運用を始めた骨とう品を今でも自慢するって、悲しくないかな?

  7. 30年以上前に配備されたうえ、改修すらされていない装備を自慢されてもねぇ。

    こんな骨とう品を自慢気に紹介するなんて恥ずかくないのだろうか。

  8. 世界的に対空自走砲って下火になってなかったか?

    機関砲では対戦車ミサイルにアウトレンジされる。ソ連は対空ミサイルも搭載する方向に走ったが、

    それなら別途対空ミサイル車両用意する方が効率が良い。ただ無誘導の機関砲故の利点は確かに存在する。

    照準があってさえいればジャミングもフレアも電子戦機によるジャミングも効果なく命中する。測距レーダーは無力化されそうだが。旧式概念の兵器だから新規製造は世界的に無い。だが新兵器が常に正しいわけでは無い。戦史には軽視した旧兵器、旧戦術に痛い目を見た大国の恥部で溢れてる。だからそうそう廃棄も出来ないのだろう。地上戦ではソフトターゲットに猛威を振るうし、そういう用途なら30年前の兵器でも問題ない。

    最新型の人間の皮膚は機関砲弾を弾くわけでは無いから。

  9. 高性能ドローンが出てきてこのタイプのはまた需要が出てきたね。

    電波妨害でも自律的に動くドローンに対抗して、

    より高速で自動または半自動で移動遊撃しつつ、低コストで飽和攻撃に対応できる多連装近接攻撃車両が。

    同時に10000とかの小型ドローンを補足して、もう少し小口径の弾で正確かつ同時に狙って落とす感じの。

  10. 87年ではレーダーや射撃統制装置の性能とか疑問。ドローンは元々小型だしステルス化が割りと容易と思われる。弾幕量と発射速度が対象の航過速度に対して十分なのか。こうゆうのは結構数台一組じゃないと計算上撃墜できる弾数を打ち込めないとかあるよね。