沈没潜水艦、乗員どう救出? 着底しても数日は生存 海自の備え「潜水艦救難艦」とは
潜水艦事故、他人事どころではない
潜水艦の遭難事故は現在の日本にとっても他人事ではありません。海上自衛隊は世界的に見ても、大型の通常動力型潜水艦「おやしお型」「そうりゅう型」など22隻配備を定数とし、さらに2隻の練習潜水艦を配備する「潜水艦大国」です。
ゆえに海上自衛隊では万一の事故に備え、沈没した潜水艦から乗員を救出するための「潜水艦救難艦」を配備しており、2017年現在は「ちよだ」「ちはや」の2艦が現役です。なお「ちよだ」は2018年の退役を予定しており、「ちはや型」の二番艦が就役します。
「ちはや」は「そうりゅう」の乗員全員を収容可能なベッドや医療施設のほか、無人潜水艇を搭載し、そして最大の特徴であるDSRV潜水艇を備えます。DSRVは潜水艦のハッチへ取りつきこれを開放することで、潜水艦からDSRVへの乗員移乗を可能とし、1度の潜航で12人を「ちはや」へと移送できます。DSRVの最大潜航深度は明らかにされていませんが、1000m~2000m以上であると推測されており、海上自衛隊における実用潜水艦のそれを大きく上回ります。
記事自体が滅茶苦茶。まだおやしお、そうりゅう級双方合計しても20隻には届かないし(練習潜水艦2隻含めても)、現在建造中の潜水艦救難艦「ちよだ」は「ちはや」級とは全くの別物。ちなみに「千代田(およびちよだ)」は旧日本海軍3代、海上自衛隊2代、「千早(およびちはや)」は旧日本海軍1代、海上自衛隊2代となってます。ついでに現在就役中のちよだは潜水艦救難母艦(AS405、潜水艦に対する補給能力あり)で、就役中のちはや(ASR403)と建造中のちよだ(ASR404)は潜水艦救難艦(潜水艦に対する補給能力なし)です。
また、洋上からの救難方法としては、他にも繭型の耐圧球を吊り下げての救難方法もあります(海上自衛隊も初代ちはや、ふしみ両潜水艦救難艦で採用)。ちなみに件のアルゼンチン海軍には潜水艦救難艦は現在のところありません。
ちなみに潜水艦救難艦ないし救難母艦の艦番号、艦名は、竣工順に
ASR401ちはや(初代)、ASR402ふしみ、AS405ちよだ(初代、本艦のみ潜水艦救難母艦、初代ちはや代替)、ASR403ちはや(2代目、ふしみ代替)、ASR404ちよだ(2代目、同名潜水艦救難母艦代替)と多少ややこしくなってます。初代ちよだのみが番号が飛んでいるのは潜水艦救難母艦に対する番号が405番以降とされていたからです(ただしもうすぐ廃止予定)。