沈没潜水艦、乗員どう救出? 着底しても数日は生存 海自の備え「潜水艦救難艦」とは

500億円の備えが決して高くない理由

「ちはや」は深海へ直接水中作業員を送り込むことも可能です。水中作業員は艦内の加減圧室(DDC)において数日間を過ごし、ゆっくりと作業予定の水深と同じ気圧まで加圧された後に、水中エレベーターによって深海の作業現場へと送り込まれます。また作業を終えて外部に出るには、加圧時よりもさらに長い日数をかけて海上と同じ1気圧まで減圧しなくてはなりません。「ちはや」における水中作業員の過去最高水深記録は450m(46気圧)であり、水中作業員はわずか1時間の作業のために、20日間も狭いDDCの中で生活しなければならなかったようです。

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潜水艦救難艦「ちはや」に搭載されたDSRV。2名によって運用され1000m以上の潜航を可能とし、一度に12名を収容できる(関 賢太郎撮影)。

 来年就役を予定する「ちはや型」2番艦の建造費用は、およそ500億円。これは「そうりゅう型」潜水艦1隻にほぼ匹敵します。またそれ自体は何ら戦力とはなりません。

 しかしながら潜水艦は一度沈没事故が発生した場合、乗員全員の死に直結します。潜水艦の乗員「サブマリナー」は航空機搭乗員なみの厳しい適性と高いスキルが要求され、その育成には長い期間とたいへんなコストが必要です。サブマリナーの価値は潜水艦よりもはるかに貴重であり、またそれ以上にかけがえのない多数の命を救えるのですから、潜水艦救難艦はいかに高価であるとはいえ、我が国にとってなくてはならない必須の艦艇であると言えるでしょう。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 記事自体が滅茶苦茶。まだおやしお、そうりゅう級双方合計しても20隻には届かないし(練習潜水艦2隻含めても)、現在建造中の潜水艦救難艦「ちよだ」は「ちはや」級とは全くの別物。ちなみに「千代田(およびちよだ)」は旧日本海軍3代、海上自衛隊2代、「千早(およびちはや)」は旧日本海軍1代、海上自衛隊2代となってます。ついでに現在就役中のちよだは潜水艦救難母艦(AS405、潜水艦に対する補給能力あり)で、就役中のちはや(ASR403)と建造中のちよだ(ASR404)は潜水艦救難艦(潜水艦に対する補給能力なし)です。
    また、洋上からの救難方法としては、他にも繭型の耐圧球を吊り下げての救難方法もあります(海上自衛隊も初代ちはや、ふしみ両潜水艦救難艦で採用)。ちなみに件のアルゼンチン海軍には潜水艦救難艦は現在のところありません。

    • ちなみに潜水艦救難艦ないし救難母艦の艦番号、艦名は、竣工順に
      ASR401ちはや(初代)、ASR402ふしみ、AS405ちよだ(初代、本艦のみ潜水艦救難母艦、初代ちはや代替)、ASR403ちはや(2代目、ふしみ代替)、ASR404ちよだ(2代目、同名潜水艦救難母艦代替)と多少ややこしくなってます。初代ちよだのみが番号が飛んでいるのは潜水艦救難母艦に対する番号が405番以降とされていたからです(ただしもうすぐ廃止予定)。