運転手の勘もAI化? 実験進む「AIタクシー」、利用者はより拾いやすく?

AI(人工知能)技術を駆使し、街のどこにタクシーの需要があるかを予測しながら運行するという「AIタクシー」の実験が進められています。利用者はタクシーが拾いやすくなるといいますが、どのようなものなのでしょうか。

売り上げ2倍に 人の多い場所にタクシーが集中する心配は?

――つまり、エリアのなかにどれほど「タクシーを拾いそうな客」がいるのか、30分後にそうした人がどこに増えるか、といったこともわかるということでしょうか?

 はい。人の性別や年代といった属性情報や、周辺施設情報、過去の乗車実績なども踏まえており、タブレットには30分後のエリアごとの需要強度だけでなく、変化の度合いも色で表示します。たとえば、どこかでコンサートが開催される場合、開演時間が近くなれば、そこへ向かう人の流れが生まれます。そうした人の動きのほか、その男女比や年代構成、過去にその場所で乗車された実績などから需要を予測しています。

 なお、「AIタクシー」で用いられる情報は、エリアや属性ごとの集団の人数を示す情報であり、お客さま個人を特定できる情報は一切含みません。

――この仕組みが多くのタクシーに導入された場合、タクシーの分布がかたよるといった懸念はないのでしょうか?

 需要の高いエリアは点在しますので、ひとつのエリアに多くのタクシーがわっと向かうということはないと考えています。ただ、供給をより最適化する方法も現在検証しています。

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「AIタクシー」の概要。乗務員ごとの経験差やスキルのばらつき解消にもつながるという(画像:NTTドコモ)。

※ ※ ※

 西鉄によると従来、タクシーにおける需要把握は基本的に、それぞれのドライバーによるものだったといいます。「『この時間帯はこの場所に(お客が)多い』という経験則で予測をすることもございます」と話します。

 NTTドコモ九州支店によると、「AIタクシー」はすでに東京の東京無線タクシー(東京無線協同組合)や名古屋のつばめタクシー(つばめグループ)でも10台前後で試験導入されており、今回の西鉄グループは3例目となります。他社の導入車両では、月の売り上げが1.5倍から2倍に増えたケースもあるそうです。ただ、グループの全車に導入するような動きには至っていないといいます。

【了】

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コメント

3件のコメント

  1. 探し物と同じで諦めた頃やってきますからね

  2. タクシーの売上向上策も必要だが、

    運転士の能力向上も目指して欲しいところ。

    もちろん全員ではないが、

    ⚫️⚫️ホテルまで!

    はいかしこまり!

    暫く走って…

    えっとたしかこの辺で…あれ一通入れない…

    えーっと…

    観光地まで!

    かしこまり!

    暫く走って…

    お客様~あの~目的地って⚫️⚫️スーパーの角右曲がった先ですよね?

    そんなこと観光客が知るか!!!

  3. どこにAI要素があるの?

    ただのビッグデータだろ。