小笠原空港、いよいよ実現か 航空会社はどこで、どんな飛行機が飛ぶのか

滑走路は1200mクラス、どんな飛行機が就航する?

 たとえば島民の救急搬送に際し、現状においては自衛隊の飛行艇やヘリに頼らざるを得ず、小笠原諸島における空港の開設は長年の懸案でした。しかし、2011(平成23)年に世界自然遺産に登録された小笠原では、環境破壊への懸念から慎重意見も多く聞かれます。

 空港の建設地として検討されているのは、世界遺産の範囲外であるため開発が可能で、旧海軍の飛行場跡地も残っている父島の州崎地区です。当初1200mの滑走路を計画していましたが、付近の峠を削る必要があるため環境への影響を配慮し滑走路の縮小案も出ているようです。

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運用には1200m以上の滑走路が必要なDHC-8-Q400(2016年、石津祐介撮影)。

 当初の1200m案であれば、使用機材はDHC-8-Q400が予想されます。では、滑走路が縮小となると、定期路線はどのような航空機で運用するのでしょうか。

 小笠原村議会が設置した小笠原航空路開設推進特別委員会では、ATR42-600Sが候補案に出ました。これは2017年6月にATR社(フランス)が制作発表をした機体で、短距離離着陸(STOL)性能を向上させ、800m超の短距離滑走路での運航が可能となっており、同社は2020年の運用開始を目指しています。東京都心と小笠原間の航空路が開設された場合、直行便であれば2時間半程度のフライトになる見込みです。

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コメント

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11件のコメント

  1. できれば浮体式がいいな。

    • 浮体式の空港だと台風が来たら駄目でしょう。

  2. いっそUS-2旅客機改装型でも飛ばしてみるか?しかし1000mの滑走路で極短とは、レシプロ機時代とは随分変わったもんだ。

  3. ティルトローター機のAW609の導入案はどうなったのでしょうか?
    大規模な滑走路建設が不要とのことで小笠原村の議員さんもAW609を推進されてたと思います。
    登場人数は限られますが、おがさわら丸との棲み分けにより、船で訪れる観光地としての魅力を落とすことなく、島民の方の生活の質を上げれる選択肢として、魅力的だと感じました。

    • 多分無理。まず、AW609自体まだ開発中のはずだし、採用しているエアラインもまだないし。ついでにオスプレイ類似機体だと反対運動が起こるわ。だったらまだしもビーチクラフト双発機あたりのほうがましかも(海上保安庁、陸上自衛隊での採用実績のある機体)。

  4. Dear folks- how do I unsubscribe to the traffic reports? thanks

  5. 自衛隊C-1輸送機なら600~800m級の滑走路でもイケる。あれを改造して、、、

    • 機体寿命がないし与圧がないし、改装費用だけでも大赤字な気がするが。

  6. 水上機じゃダメなんですかねえ?
    その場合、本土の方が問題になるけど。

  7. 新明和に旅客用飛行艇をUS-2の改造ベースで発注というのが、(旧飛行場も含めた)環境を破壊せずに済む方法。桟橋と待合室など最低限の設備で済む。これが私のかねてからの持論。

    乗客は新明和の計画では38名を収容できる。ATR42は40人強だから、それと比べても遜色ない。航続距離4700kmも問題ないだろう。満載でも310mの着水滑走距離。車輪つきなので羽田では滑走路で離着陸できる。何より飛行艇での空の旅を経験したことのない人も多く、それ自体が観光に付加価値を与える。

  8. DHC-8-Q400が1,200m運用可能なら系列オリエンタルエアブリッジの壱岐空港で何故運用しない?