地名にも「ランク」あり? 道路の案内標識、表示地名はどう決まるのか
地名のランク、実際に案内標識ではどのように表現される?
地名に区分があることはわかりましたが、では実際に、案内標識にはどのような地名が、どのような序列で選ばれ表示されるのでしょうか。再び国土交通省道路局に聞きました。
――案内標識に書かれる地名の順番なども決められているのでしょうか?
案内標識に表示する地名は、主要幹線道路、幹線道路、補助幹線道路という一般道路の機能に応じた3分類と、地名のランクに応じて決められます。たとえば、広域に移動する人が多く利用する主要幹線道路では、表示地名も広域的なものを重視し、一般地は表示しません。主要幹線道路を補完する幹線道路や補助幹線道路では、より短い距離を移動する人が多くなるので、場所に応じて主要地や一般地を重視する標識もあります。
たとえば主要幹線道路で「方向及び距離」を表す標識の場合、「基準地」「重要地」「主要地」の順で、それぞれ現位置から最も近い場所を上から並べていきます。
――最近の変化はありますでしょうか?
おもに、主要観光地における英語表記を見直しているほか、多くの外国人旅行客が訪れる2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、高速道路のナンバリングを記載するなどしたり、首都圏では駅や空港などを示すピクトグラムを案内標識に取り入れたりしています。また、主要な観光地の近くにある交差点名を表す標識で、観光地の名称を表示する取り組みも進めており、たとえば札幌市では「南4西4」という交差点を、「すすきの」に変更しました。
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英語表記見直しの例としては、たとえば「笹目橋」を「Sasamebashi」から「Sasame Bridge」に、「深谷市役所」を「Fukayashiyakusyo」から「Fukaya City Hall」にするなど、施設の意味合いをよりわかりやすくしているようです。
ちなみに、前述のとおり東京都の基準地は「東京」ですが、埼玉、千葉、神奈川3県には基準地が定められていません。これについて国土交通省道路局は「東京が、広域で移動する多くの人の目的地となっているためです。たとえば、九州から横浜を目指していたとしても『東京』方面を目指すでしょう。さまざまな主要幹線道路の起点にもなっていますので、混乱を避ける意味で、周辺3県に基準地を定めていません」といいます。
【了】
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