航空産業にイノベーションが求められるワケ 様々な課題解決へ官民の連絡会開催

IATA藤原代表「技術進化と運用体制整備を」

 続いて、演題は「FAST TRAVELの推進」に。「FAST TRAVEL」とは、国際航空運送協会(IATA)が促進する「旅客手続きの自動化プログラム」のことで、IATAは2020年までに、全旅客の80%が自動手続きできることを目指しています。

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「第1回 航空イノベーション推進官民連絡会」開催の様子(2018年1月30日、乗りものニュース編集部撮影)。

 最初に登壇したIATAの藤原勇二日本代表は、FAST TRAVELの海外事例を紹介。海外では現在、空港外でのチェックインや、チェックインの分散処理に関する技術向上が進められているとし、「入国管理を自動化することで、より多くの旅客を、より少ないトラブルで処理できる」と説明しました。そのためには、IATAが推しすすめる、ひとつのIDで全プロセスを統合化できる仕組みが有効であるとしながらも、技術の進化だけでなく、それにともなう運用体制の整備が求められると指摘しました。

 続けて登壇した成田国際空港経営計画部の宮本秀晴部長は、FAST TRAVEL推進における同空港の役割について言及。将来の需要増に対して物理的なスペースが不足していることや、ターミナルの有効なスペースが効率的に活用されていないことなどを課題に挙げつつ、「ターミナルオペレーション全体のマネジメントについて、空港会社が主導的な役割を担わなければならない」と未来を描きました。

 関西エアポートの石川浩司関西空港オペレーションユニット長は、同空港のセキュリティについて触れ、日本初の導入となった第2ターミナルへの「スマートレーン」の効果を発表。処理能力は従来の1.5倍になり、混雑緩和と利用客のストレス軽減に成功したと話しました。「スマートレーン」とは保安検査場における、トレーの移動を自動化して乗客と空港従業員の手間を省くレーンのことで、関西エアポートでは現在4レーンを稼働している「スマートレーン」を、2018年9月末までに16レーンに増設するといいます。

 その後、日本電気(NEC)や国際航空情報通信機構(SITA)、国交省、法務省の5人が、生態認証システムや顔認証ゲートの活用などについて発表を行いました。

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