意外? 日本一短い鉄道は「和歌山県」だった 南海和歌山港線の不思議

ネットワークに取り込まれて「日本一」見えにくく

 この結果、和歌山県の鉄道は紀州鉄道より0.7km短くなり、「日本一短い鉄道事業者」の座を「獲得」しました。その5か月後には芝山鉄道が開業しましたが、営業キロは和歌山県の鉄道より0.2km長く、実は「日本一短い鉄道事業者」ではなかったのです。

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和歌山港線は和歌山県が保有している区間も含めて南海の路線の一部になっているため、今も芝山鉄道が「日本一短い鉄道事業者」といわれることがほとんどだ(2002年11月、草町義和撮影)。

 ただ、実際は芝山鉄道が「日本一短い鉄道事業者」といわれ続けています。

 和歌山県の営業キロは芝山鉄道より確かに短いですが、列車を運転しているのは先に述べた通り南海電鉄。駅や列車内でも、和歌山県が線路を保有している区間も含めて南海の和歌山港線として案内されています。実質的には150kmに及ぶ南海電鉄のネットワークの一部になっているため、「日本一」が影に隠れた格好になっているともいえます。

 なお、南海電鉄と和歌山県の境界点だった久保町駅は2005(平成17)年11月に廃止され、今は「県社分界点」と呼ばれています。和歌山港線のほかの中間駅も同時に廃止されたため、和歌山県が保有している駅は終点駅(和歌山港)のひとつだけです。こうしたことも、和歌山県の存在を見えにくくしているのかもしれません。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. トリビアとしては面白い。
    ただ「日本一」は普通第三種は含めないから出てこないんだろうな。