新型新幹線「N700S」と「N700A」どう違う? 車内初公開!(写真60枚)

停車駅が近づくと明るくなるN700S 「小型・軽量化」がポイント

 車内では「コンセント」。「A」は、グリーン車は全席にありますが、普通車は窓側席と客室最前(後)部席のみの用意でした。これが「S」ではグリーン車、普通車とも全ての席に備えられます。肘掛けに設けられるため、座席を向かい合わせにしても使用可能です。

 また停車駅へ近づいた際、忘れ物への注意をうながすため、荷棚が明るくなります。それがはっきりわかるよう、明るくなるときは短時間でそうなり、元の明るさへはゆっくり戻っていく形です。

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全席にコンセントが備えられたN700S普通車車内。
車両のタイプがN700Aの8種類から4種類に減ったN700S。
N700SとN700Aにおける搭載機器の違い。

 そして、利用者には直接の関係はない部分ですが、JR東海と日本の高速鉄道「新幹線」にとって、「A」と「S」では大きく違う部分があります。「S」は「標準車両」であることです。

「A」の車両は8タイプから構成されますが、「S」は4タイプで構成。最小4両編成から路線の状況に応じて8両や12両など、編成を柔軟に組めます(JR東海の担当者は、「新幹線」は大量高速輸送機関であるため、4両編成は現実的でないといいますが)。

 つまり「S」は、様々な場所・環境に、特段の設計変更を必要とせず迅速に適応させられるという意味で「標準車両」とされ、そこには「新幹線」の海外展開を図るJR東海の狙いがあります。また、あくまで可能性の話ながら、超電導リニアモーターカーによる中央新幹線の開業後に東海道新幹線の需要が変化した場合でも、編成の長さを調整しやすいという利点もあるでしょう。

 8タイプから4タイプへの削減は、機器の小型・軽量化によって実現。「A」では複数の車両へ分けて搭載せねばならなかった機器が、小型・軽量化により、「S」では少ない車両に集約して搭載できるようになりました。

 また、この小型・軽量化で客室用の電源も多く確保できるようになり、全席コンセントが実現したとのこと。利用者にとってもJR東海にとっても、「小型・軽量化」がN700Sの大きなキーワードといえそうです。

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