日本郵船、2022年までの中期経営計画を発表 成長戦略のカギはデジタル&グリーン?

やはり気になる2020年の「SOx排出規制」

 そうしたロードマップを実現するうえで、事業を効率化し、さらには新たな価値を創出していく方策として、表題に掲げた「Digitalization and Green」、すなわちデジタル技術と環境技術に取り組むとのことです。

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新しい中期経営計画の発表に臨んだ、日本郵船の内藤忠顕社長(右)と高橋栄一常務(2018年3月29日、乗りものニュース編集部撮影)。

 これまでも船陸間のデータマネジメントシステムの開発や、次世代燃料船の採用などに取り組み、効率化をすすめてきた日本郵船ですが、今後もそれらを推し進め、さらなる効率化、あるいは洋上風力発電や水素キャリアなど再生可能エネルギーをテーマとした、新たな事業の開拓を目指すといいます。

 こうした計画により、2017年度経常損益270億円の黒字を(最新予測による)、2022年度を目途に700億円から1000億円へと成長させたいとしています。

 なお5か年計画の中盤にあたる2020年には、国際的な船のSOx(硫黄酸化物)排出規制が始まります。2018年現在、日本郵船は800隻弱の運航船のうち、およそ250隻の自社船を抱えますが、それらを規制に対応させるタイムリミットが迫っています。対策はSOx除去装置「スクラバー」の設置や、LNG/LPGガスでの対応、規制適合油の使用などが考えられますが、内藤社長は「たとえばすべての自社船を、スクラバーの設置につっこむのは危険と思っております。我々としてはポートフォリオを見ながら、少しずつ対応させていこうと思っています。すでにスクラバーを設置している、あるいはその予定の船がございますが、これもポートフォリオのひとつと考えています」と述べています。

【了】

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