長崎新幹線「全線フル規格化」で佐賀が慎重な理由 投資効果は高いけど
理由は建設費と利便性の「アンバランス」
一番の問題は建設費。整備新幹線の建設費はJRが支払っている線路使用料のほか、国と地方が負担する補助金でまかなわれています。線路使用料収入を除いた負担の割合は、国が3分の2、地方が3分の1です。
新鳥栖~武雄温泉間は佐賀県内ですから、この区間の地方負担分はすべて佐賀県や佐賀県内の市町村が出さなければなりません。今回の検討結果から、その金額は約1100億円になることが見込まれています。そう簡単に出せる額ではありません。
また、博多~佐賀間の距離は約54kmと短く、所要時間も在来線特急で最短35分。フル規格案では15分短い20分になりますが、現状でもそれほど不便ではありません。1000億円以上のお金を払うだけの効果があるのかどうか不透明なのです。こうしたことも、佐賀県が全線フル規格化に消極的な理由のひとつになっています。
兵庫、岡山、鳥取の3県を通って関西と鳥取を結ぶ在来線特急の高速化を図った第三セクター鉄道の智頭急行の場合、各県内の路線距離は兵庫が約29km、岡山が約14km、鳥取が約13kmで、鳥取の区間が最も短くなっています。ところが、智頭急行の最大株主は鳥取県(33.89%)です。智頭急行の整備による高速化で最も便利になるのが鳥取のため、便利になる「度合い」に応じて各県の出資比率を決めたといえます。
仮に全線フル規格化で話を進める場合、佐賀県の負担をどれだけ軽くできるかが焦点になりそうです。智頭急行のように、新幹線の開業で最も便利になる長崎県の負担割合を高くするといったことも、今後検討されることになるかもしれません。
【了】
北陸新幹線の時と全く同じ事が起きていますね。増加した建設費負担に難色を示して「全列車を県内の全ての駅に停めるように」と要請した件は今でもハッキリと憶えています。それに対して北陸新幹線と関係のある県が不満を表明していたとも記憶しています。結果はどうなったか。
・各駅停車区間が2時間近くもある「はくたか」の運行がメインとなり、山形・秋田新幹線のような航空路線をほぼ撤退させたケースとは全く違う状態のまま。
になっています。利用しようと検討している者にとっては大変困る話です。参考までに。
県内の距離に応じた建設費負担は一見公平だけどこういう問題が起きうる。
北陸新幹線でも新潟はメリットがあまり無い上にデメリットだらけ(上越新幹線減便、ほくほく線赤字化、北陸線信越線三セク化)だから反発していたし。
今回佐賀県を優遇したら、新潟からは恨まれるね。
佐賀県の言い分は、博多〜佐賀県内「だけ」の効果を考えたものでしょう?
山陽に直通して関西方面から観光客が来ることも考えた上でのものかな?必然的にフル規格でないと無理だけど。
>山陽に直通して関西方面から観光客が来ること
いや、それだったら現状でも博多乗換え客の数から推測できるし、その効果があるなら佐賀空港の旅客利用率はもっと上がっているはず。
というか、佐賀にどれだけの観光スポットがあるからそんなこと言ってんの?
どうも分からないのは,鳥栖-武雄の間を3本レールにする案が出て来ない,のだろうか?3本レールは,青函トンネルで実績は充分にある.新幹線の車両幅が広く,駅のプラットホームの改造は必要になるが,土地買収の必要な新線建設より,有利じゃないかな?
出てるよ。ミニ新幹線の高い方。但し「新幹線の車両幅が広く」では無い。青函よりも、元が在来線の秋田新幹線三線軌区間を走る「在来線サイズの標準軌車両」をイメージすべき。
標準的な新幹線車両の直通だとホームだけでなく、信号機や架線柱から全て移設になって変電所も改造して、でとんでもなく費用がかかりそう。フル規格新線の方が安いかも。
青函は元々が新幹線規格だから、それと同じに考えてはいけない。秋田の車両でも320km/hで走れるから、JR西に遅いからダメとは言われないし。
佐賀にとってフル新幹線は何のメリットもないからね
巨額の建設費の見返りはたった20分の時間短縮
おまけに在来線は並行在来線に認定され三セクに切り替え
将来に渡って県の税金で補填だ。運賃も上げなければならないだろう
長崎新幹線は要らないと思う。
それよりは在来線をしっかり強化する方が大事じゃないかと思います。
今なら新幹線区間も『スーパー特急』で整備したほうが。乗換なんぞ下の下。
てかここに関してはミニ新幹線も結構掛かるんだな、そこまでやるんならミニではなくフルサイズ新幹線を通せる在来線なんてのが良かったり?
ここより距離の長い山形新幹線福島~山形間の改軌には400億円もかかっていなかったと思いますので、おそらく複線化費用や線形改良費用などいろいろ含めているのだと思います。
むしろフル規格化したいからそれ以外の案の費用を多く見せたようにも思えますけどね。
(新在直通や営業線多方面分岐はCOMTRACが対応できないからやめろとかJR東海が難癖付けてたりして…)
建設をしないという選択肢が1番いいと思う。
どうやら国交省とJR九州、長崎県は、寝技で佐賀県を“自滅”させる作戦に出たようだ。
並行在来線を引き取らされる佐賀にはフル規格は飲めないでしょうね。地域交通に鉄道は不要、とあっさり廃止できるなら話は違うかもしれませんが。
佐賀負担分の一部を長崎が持った上でミニ新幹線化が現実的な解なのではないかと思われますがどうなんでしょう。
肥前山口-武雄温泉間の複線化って必要なんですかね・・・?
そもそも長崎新幹線って必要?佐賀と長崎のエゴがぶつかり合うくらいなら新幹線開通の意味を考え直したほうがいいんじゃないかな?佐賀もフル規格に同意するなら並行在来線は不要ですとか言ったら長崎の態度が変わるんじゃないかな?
長崎新幹線って不要のような気がする。
仮に開業したとしても、沿線全てがいい思いするわけでもないし。
いい思いするのは沿線住民の声を無視してるJR九州と一部の方々。
まず始めに言っておくが、「長崎新幹線要らない」 という画一的で非建設的な主張こそ「要らない」。確かに佐賀←→博多「 だ け 」を見れば新幹線よりも在来線特急のほうが特性的に適しているが、そこだけを見て「新幹線要らない」というのは非常に視野が狭い。
本題だが、
佐賀県の後ろ向きな姿勢を見ると、もはや整備新幹線の「制度・枠組み」「財源」等の在り方を再検討しながら整備方法を選定していく段階。なお、並行在来線はJRのまま運営できるような方法も考えていく必要がある。短編成であっても在来線快速列車を充分運行することで新幹線が停まらない主要駅・拠点駅を救済できる運営ができれば良いのだが
そして併せて、例えば
1・青函トンネルのような三線軌条方式の新幹線
2・在来線を、特急が走っていた頃の北越急行並みの高規格にする手法
3・部分複線の新幹線と部分複線の在来線を並列で一体的に整備し、並行在来線問題を起こさず優等列車から普通・貨物列車まで高速化する手法
4・在来線に新幹線を通す場合(いわゆるミニ新幹線方式)ではあるが、フル規格で標準軌の新幹線車両と在来線規格で狭軌の車両の両方が通れるようにする手法
など、高速鉄道の物理的な整備方式も「フル規格」にこだわらず、その路線・地域に適した手法を検討していくべきだ。特に基本計画線段階の新幹線は新幹線の中でも「支線」のような性質がある。そのような路線は「はやぶさ」などのような超高速運転を追い求めるよりも、普通列車から貨物列車・特急列車まで一体的に高速化していく方が適している。
www.mlit.go.jp/common/001229421.pdf
九州新幹線(西九州ルート)の整備のあり方について (比較検討結果) / 国土交通省鉄道局
記事中にリンクがなかったのは残念に思われます。1067mmと1435mmの単線並列がB/C=3.1で1067+1435の三線軌複線がB/C=2.6、唐津線や佐世保線への直通列車の為に1067mm軌間を残す必要があるということですね。
新鳥栖-武雄温泉間を完全に狭軌線と標準軌線の単線並列とするのではなく、秋田新幹線と同様に列車交換の為の三線軌区間を設ける手はあると思いますし、唐津線の佐賀乗り入れ用に久保田-佐賀間のみ三線軌条とし佐世保へは武雄で乗り換えとする(対面ホームで!)など、やり方はいろいろありそうな気がします。
貨物列車6本の輸送量がまったく見当付きませんが、久保田-鍋島-佐賀-新鳥栖間は1067mmのレールも必要なんですかね。
というか標準軌と三線軌の単線並列ならともかく三線軌を複線ってのはちょっと無駄が多そうな気がしますし、とするとこれは選ばれないことを前提に低いB/Cを出したものですか。
投資効果ではフル規格にやや及ばないものの、コストそのものは大幅に下がるミニ新幹線単線並列案を良く見せるための囮ということでしょう。
単線並列のミニ新幹線なら1,700億、フル規格なら6,000億、これが投資効果B/Cの費用Costに相当するものかどうかわかりませんが、3.1あるいは3.3という数値を上回る投資先、他のインフラ整備事業が存在するのであれば長崎新幹線よりもそちらにカネを注ぎ込むべきである、ということになるのだろうと思います。
新幹線を武雄温泉~佐賀空港~福岡県筑後地域~筑後船小屋(または久留米)経由にすれば、佐世保方面と肥前鹿島までの在来線特急を残すことが出来ると考えるようになりました。
こうすれば博多までの在来線特急を求める佐賀市・江北町・鹿島市を中心とする人々と、新幹線を通したい長崎県~武雄市を中心とする人々及びJRの希望を満たせます。
そして、全国的に整備新幹線(または、在来線の改良を新幹線整備と見なす事業)を沿線空港経由にしていけば、中距離程度の移動及び空港アクセスは新幹線で、鉄道では遠すぎる長距離の移動は航空 という使い分け・棲み分けもできますし、地方空港の利用範囲が飛躍的に広がり、航空にとっても鉄道にとっても利益が出ます。
新幹線を諦めた佐世保市地域に対しては、佐世保線の改良高速化によって所要時間短縮と鉄道利用の確保を図れるように、鉄道改良に対してもっと社会的な投資が出来ればいいのですが・・・
長崎ルートを 佐賀駅経由新鳥栖駅分岐 で整備する計画のままではいつまで経っても 「新幹線要らない」というレベルの不毛な主張ばかりが続き、佐賀・長崎にとってもそして日本全体にとってもマイナスです。