欧州製の新型2階建てバス「アストロメガ」、夜行高速バスに初投入 輸送力1.6倍 車内も「夜行仕様」(写真20枚)

値段は通常のバス2台分 コストに見合うメリットは

 2階建てバスは2010(平成22)年に国産モデルが販売を終了しており、事業者にとっては導入したくてもできないという状況が続いていました。そのようななかで登場した「アストロメガ」、車両価格は通常の高速バスおよそ2台分だそうです。そのコストをかけてもなお導入に踏み切った理由を、仲田さんは次のように話します。

「当社の4列シート・トイレ付き車両は、スタンダードなもので36席です。59席を確保できる『アストロメガ』との差は23席、輸送力は1.6倍になり、2台走らせばプラス1台ぶん以上の人数を運ぶことができます。運転手の不足傾向が続くなか、1台あたりの輸送効率を少しでも向上させるうえで、2階建てバスは有効です」(ジャムジャムエクスプレス 仲田さん)

 高速バスは、繁忙期には同じダイヤで「続行便」(2号車以降)を走らせることがありますが、多くのバスが乗り入れる都市部の停留所ではその余裕がないうえ、運転手不足もあって増便が難しくなっているそうです。ジャムジャムエクスプレスの北村さんによると「出発日の3週間くらい前には満席になってしまうこともあります」とのこと。

 加えて、バリアフリー化に対応できることも「アストロメガ」のメリットだそうです。1階の一部座席は前後に動かすことができ、それによって車いすの収容スペースをつくることが可能。乗降口にスロープ板を渡して、車いすがかんたんに乗車できるようになっています。北村さんは、「高速バスのバリアフリー化は国からも求められていることですが、現在は『除外申請』をして運行しているケースがほとんどです。しかし、近いうちに必ず本格化します」といいます。

Large 180404 jamjam 02 Large 180404 jamjam 03 Large 180404 jamjam 04
「ジャムジャムライナー」に導入される「アストロメガ」の2階席(2018年4月3日、中島洋平撮影)。
座席の足元にはフットレスト。
1階には乗務員用の仮眠室。

 この「アストロメガ」を使用した「ジャムジャムライナー」TDS・東京駅~大阪・神戸間夜行便の運賃は、片道4500円~です。週末や多客期には増額されます。ジャムジャムエクスプレスは今後、「アストロメガ」を「関東~名古屋間、関東~仙台間などにも導入し、距離が短い路線では1日2往復させることも考えています」(北村さん)と、増備に意欲を見せます。

【了】

この記事の画像をもっと見る(20枚)

テーマ特集「【高速バス特集】もっと格安・快適に移動したい! 高速バス予約のコツと乗車のポイントを徹底紹介」へ

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

5件のコメント

  1. この会社、女性専用車にほぼ同じダイヤに男女兼用の続行を運行してない違法会社だよな?
    よく輸送効率などと言う言葉が出てきたもんだな
    まあ日本向けに車枠を縮小した仕様のようだからAMTやシャシの剛性など短期間では頭をもたげない不具合もあるでしょうよ

  2. 4列か…

  3. 長さ13.5mは日本では厳しいだろうが、
    モデルとなった車両の幅2.55m、高さ4mという大きさ自体はクリア出来る道路も多いと思う。

    そもそも、定員が多い事から首都圏から関西圏等の大都市圏間に使われるだろうし、そうなると、新東名や新名神利用になると思います。
    雇用の規制緩和する前に、こちらの規制緩和をしても良いと思います。

  4. さてJRバス各社、どう出てくるか。

  5. 欧州製、二階建て、夜行バス、メガライナー…うっ、頭が。

    メガライナー出火頻発の原因は欧州と日本の気候や道路事情、運行事情の違いでエンジンに設計想定以上の負荷が掛かり続けたからとも言われてるし、その辺対策してあるのかな。
    シャーシは日本製が良かったのでは?