「新幹線」大正時代からあった? 意味が変わった言葉の歴史
新幹線が最初に開業したのは半世紀以上前のことですが、「新幹線」という言葉は1世紀以上前からありました。ただし、最初は高速鉄道を意味する言葉ではなかったようです。
戦前にもあった新幹線の計画
最高速度200km/h以上で、全国のおもな都市を結ぶ新幹線。日本の鉄道を代表するものとして、その存在を知らない人は少ないでしょう。
新幹線が初めて世に現れたのは、半世紀以上前の1964(昭和39)年のことです。このとき、東京~新大阪間を結ぶ東海道新幹線が開業しました。東京と大阪を結んでいた幹線鉄道(東海道本線)に並行する高速列車専用の「新しい幹線鉄道」として、「東海道新幹線」と名付けられたといえます。
その後、山陽本線に並行する山陽新幹線、東北本線に並行する東北新幹線などが順次開業。いまでは「新しい幹線鉄道」というより「新幹線」自体が高速鉄道を表現する言葉として定着し、海外でも「Shinkansen」の名が広く知れ渡るようになりました。
ところでこの「新幹線」という言葉、いつごろから存在するのでしょうか。東海道新幹線の建設が本格的に考えられるようになったのが1950年代。1958(昭和33)年に建設計画が承認され、1959(昭和34)年に着工していますから、この時期に国鉄が作った造語のように思われるかもしれません。
しかし、戦前の国鉄線を運営していた鉄道省(現在の国土交通省に相当)は、遅くとも1939(昭和14)年には「新幹線」という言葉を使っていました。
このころ、鉄道省は東京~下関間を結ぶ高速鉄道を計画していました。現在の新幹線と同様、在来線(東海道・山陽本線)に並行して高速列車専用の線路を別に建設する計画でした。鉄道省は、この高速鉄道計画を「新幹線」と呼んでいたのです。
ただ、当時の新聞は「弾丸のように速い鉄道」という意味で「弾丸列車」と呼ぶことが多かったようです。戦時体制に突入していった時期でもあり、当時の世相を反映した言葉といえるでしょうか。
「バイパス」という単語が無い時代には別の単語が用いられただろう
「○○幹線」という道路もあるし、そりゃそうだろうなという感じ
もっと掘り下げてほしいね