駐車は「P」レンジだけでは不十分? パーキングブレーキをかけたほうがよいワケ

AT車で駐車する際、シフトレバを「P」レンジに入れて、パーキングブレーキをかけない人もいます。「P」レンジにすれば車輪は動かなくなりますが、パーキングブレーキは必要なのでしょうか。

「P」は駆動輪を内部からロックする

 AT車で駐車する際は、レバー式や足踏み式のパーキングブレーキをかけ、シフトレバーを「P」レンジに入れることが基本です。クルマの取扱説明書などでもそのように書かれていますが、なかにはパーキングブレーキをかけないで駐車する人もいます。

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レバー式のパーキングブレーキをかけるイメージ(画像:lzflzf/123RF)。

 AT車は「P」レンジにすれば、車輪がロックされて動かないようになります。それだけでは不十分なのでしょうか。東京都世田谷区の自動車教習所、フジドライビングスクールの田中さんに聞きました。

――なぜ「P」レンジにするだけでなく、ブレーキを引く必要があるのでしょうか?

 二重の安全という意味で必要です。「P」レンジにすると、トランスミッション内部の歯車に爪がかかり、シャフトがロックされるので駆動輪が動かなくなりますが、たとえば一般的な前輪駆動(FF)のクルマであれば後輪はロックされません。パーキングブレーキで後輪もロックすれば、たとえクルマに衝突されたとしても動き出しはゆるやかで、大きな被害を防ぐことができます。

「P」レンジのロックはかんたんには外れませんが、歯車と爪のあいだに隙間があるため、フットブレーキやパーキングブレーキをかけない状態では振動などでわずかに動くことがあります。狭い場所に駐車する場合など、数cmでも動くと困る場合には、パーキングブレーキをかけたほうがよいでしょう。

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3件のコメント

  1. あたりまえだろう、と思ったが寒冷地はしらなかった

  2. 実はそのPの爪が癖物で、総重量5トン以上程度の車には強度の問題から同じステップATでもPが無くRが一番奥であった時代もありました。
    世間で呼ばれる4トントラックがこの方式で、Pの代わりとして総輪ホイルパーク方式と言う全ての軸のタイヤにロックがかかるハンドブレーキの機構がありましたが、最近ではトラックのATと言えばMTミッションを流用したAMTが主流なのですが、まだまだ熟成の期には達しておらず保証期間も短く信頼性を欠くことから中々世に出回らないと言ったとこが現実ですが、実は乗用車の業界でもAMTのような物からステップATを返り咲かせる空気もあるようで実は私はそれに期待をしています。
    今度トヨタが世に贈る新型CVTも発進の感覚を善くする為に初期に小型のトルクコンバータと歯車を用いて常用息では無断変速が活躍すると言う?これも期待はしてますが何で最初からやらなかったの?と言う疑問も抱いております。

  3. 例えば銀座四丁目の交差点で横断歩道の直前で停止して、歩行者が横断しています。
    その時 レバー式ブレーキだけを使用していて、後続車が追突してしまい、レバー式のブレーキは何回も使用しているのでワイヤーが伸びてきて、追突の衝撃で横断中の歩行者に接触するという事故が発生します。
    東京のタクシー会社の指導では、「Pブレーキレンジ」を主に使うことで衝突が避けられると指導され今でも使っています。
    レバー式はワイヤーですので、伸びることは避けられません。
    定期点検の時、このワイヤーだけでも締め直しはお勧めします。