人里離れた山奥で新型新幹線の技術を開発 JR東海「小牧研究施設」に潜入(写真25枚)

大地震発生時の走行状態も再現可能

 研究棟で概略説明を受けたあと、実験棟のある南側へ向かいました。まず案内されたのは、「架線振動試験装置」が設置されているB棟です。鉄道車両に電気を送るための電線(架線)を、実物の鉄道と同じ条件で設置。小型の実験車両を走らせて架線に振動を加え、部品の耐久性を効率的に検証することができるといいます。

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小牧研究施設の架線振動試験装置(2018年4月20日、草町義和撮影)。

 現在、この装置を使って研究されているのが光ファイバー入りの電線です。架線には内部にメタル線を入れたものがあり、メタル線を流れる電流の有無で架線の切断などをチェックできるようになっています。営業運転中は電車が走るための電気を流すためチェックできませんが、電磁ノイズの影響を受けない光ファイバーなら、24時間リアルタイムで架線のチェックが可能に。チェックできる距離も長くなるといいます。

 続いて見学したのは、C棟にある「車両走行試験装置」。「軌条輪」と呼ばれる円形のレールの上に模擬車両を載せ、軌条輪を回転させることで列車が走行している状態を再現することができます。

 鉄道車両はレールの設置位置のずれや、トンネル内を走行しているときに受ける空気力などの影響で揺れますが、この装置にはわざと揺れを加える機能が搭載されていて、さまざまな条件での車両の走行状態を調べることができます。

 この日は模擬車両が実験棟の外に出ていて、残念ながら試験走行の姿を見ることはできませんでした。試験最高速度は350km/h程度まで対応。大地震の発生したときの走行状態など、営業路線で実施するのは難しい試験も行えるといいます。小牧研究施設の関係者は「この装置がなければ(N700Aの)台車振動検知装置は開発できませんでした」と話していました。

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コメント

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1件のコメント

  1. 里山的な場所で都市部じゃないけど、「人里離れた」というほどの場所でもないよな
    都市部にないことが意外かのように読み取れるけど、むしろインフラ系の研究施設なんて郊外に置くのが普通だろうし