新千歳空港の鉄道改造プロジェクトで何が便利になる? 30年ぶりに「復活」するコト

複線化と新線の「合わせ技」

 具体的にどのように改造するか、いまのところJR北海道や国交省からの正式な発表はありません。2018年5月2日付の北海道新聞朝刊や5月3日付の北海道建設新聞などによると、以下のようなことが考えられているようです。

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空港支線が分岐する南千歳駅(右上)。1992年までは空港直結の千歳空港駅だった(2015年9月、草町義和撮影)。

・空港支線の南千歳~新千歳空港間を複線化
・新千歳空港駅のホームを増設
・新千歳空港駅から千歳線(苫小牧方面)に抜ける新線を建設
・新千歳空港駅から石勝線(帯広方面)に抜ける新線を建設

 苫小牧~新千歳空港間の現在の所要時間は鉄道で25分くらいですが、時間帯によっては南千歳駅での乗り換えに時間がかかり、50分になるケースもあります。新線が建設されると札幌方面と苫小牧方面を結ぶ列車が新千歳空港駅を通れるようになり、南千歳駅での乗り換えはもちろん不要に。全体の平均所要時間も大幅に短くなるとみられます。

 札幌方面と帯広方面を結ぶ石勝線の特急「スーパーとかち」「スーパーおおぞら」も、新線の建設により新千歳空港経由で運転することが可能に。新千歳空港~帯広方面の所要時間短縮が期待できます。

 新千歳空港駅と苫小牧方面を結ぶ新線は、大きく分けてふたつのルートが考えられます。ひとつは新千歳空港駅から東へカーブして滑走路の下を通り、美々信号場付近で千歳線に合流。建設距離は短いですが、滑走路の下を通るトンネルの建設で時間や費用がかかりそうです。

 もうひとつは滑走路に沿って南下し、東へ緩やかにカーブして植苗駅付近で千歳線に合流するルート。こちらは滑走路下のトンネルを建設する必要はありませんが、建設距離は長くなります。

 新千歳空港~帯広方面の新線も複数のルートが考えられます。建設距離が一番短くなりそうなのは、南千歳駅の南側で空港支線から石勝線につなぐルート。ただし札幌方面と帯広方面を結ぶ列車は新千歳空港駅で向きを変えなければならず、運用が複雑になるというデメリットがあります。

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コメント

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5件のコメント

  1. いらねえよ
    南千歳でスイッチバックすればいいだけだろ
    今やっているのであれば、効率を上げるために補助すれば良いけど
    JR北がやる気ねえからやらないだけ
    千歳に集約すれば他空港の利用者が減る
    京急は蒲田でスイッチバックして単線でやりくりしていたのを
    高架駅にする際に、複線(単線2本)化した
    運用能力がない会社に楽をさせる必要はない(怒)

  2. ホーム有効長は10両分はほしいね。6両までしか入れない、単線、行き止まり、乗り換えという縛りが全部取っ払われる上、エアポート以外も空港に停まるメリットは大きい。

    ただ、気動車の特急が地下の新千歳空港駅に乗り入れることになるから、排気対策は万全にしなければならない。

    本音を言えば、非電化の新函館北斗〜長万部〜東室蘭と南千歳〜帯広〜釧路を全部電化してほしいんだけど。その方が既存の電化区間も十二分に活用できるし、貨物列車も電気機関車牽引にできる。

  3. 北海道新幹線ができるというのに二重投資ではないか。

  4. 第一期工事としてとりあえず複線化と長大編成対応だけやってくれ、第二期工事分は30年後に改めて検討でいいや。

  5. 「自社単独では維持困難な路線」の廃止を防ぐためにもこのプロジェクトを成功させてください!!