新千歳空港の鉄道改造プロジェクトで何が便利になる? 30年ぶりに「復活」するコト

成否の鍵はどこにある?

 いっぽう、滑走路下や空港の南側に回り込むルートは建設距離が長くなるものの、列車の向きを変える必要がありません。このうち南側ルートは、室蘭本線の遠浅駅付近まで新線を建設し、遠浅~追分間は室蘭本線を走って追分駅で石勝線に合流するルートも考えられそうです。

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新千歳空港のターミナルビル内にある列車案内表示器。南千歳駅での乗り換え列車も案内している(2015年9月、草町義和撮影)。

 それにしても、JR北海道や国交省がここまで大規模なプロジェクトを検討しているのはなぜなのでしょうか。

 過疎地のローカル線を多数抱えているJR北海道は厳しい経営を強いられていますが、新千歳空港駅を含む札幌都市圏の路線は比較的好調。そこで同社はローカル線の見直し(上下分離方式の導入やバス転換など)を進めるいっぽう、黒字化が可能とみられる新千歳空港へのアクセス輸送に力を入れ、経営の改善を図ろうと考えているようです。

 ただ、新千歳空港駅付近の鉄道改造にかかる費用は1000億円規模になるとみられています。JR北海道が単独で建設できる額ではなく、国や自治体の公的支援が不可欠です。

 国の「空港アクセス鉄道等整備事業費補助制度」では、補助対象経費の18%を国が補助することになっていますが、「国土交通大臣が定める事業」は補助率が3分の1(約33.3%)に引き上げられます。まずは「国土交通大臣が定める事業」に指定されるかどうかが、このプロジェクトの成否を握る鍵になるでしょう。

 ちなみに、仙台空港鉄道が運営する仙台空港線(宮城県)は滑走路の下を通るルートも検討されましたが、最終的には滑走路の東側を回り込むルートで建設されています。建設距離は約600m長くなりましたが、地下を通る区間が減ったため、建設費は約50億円安くなったといいます。今後の検討で建設コストをどこまで減らすことができるのか、これも焦点のひとつになるとみられます。

 JR北海道は実現の可能性や経費などを調査し、2018年内には国に報告する模様。早ければ2022年の完成が見込まれているといいます。実現すれば、空港駅から3方面への直通アクセスが30年ぶりに復活することになりそうです。

【了】

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コメント

5件のコメント

  1. いらねえよ
    南千歳でスイッチバックすればいいだけだろ
    今やっているのであれば、効率を上げるために補助すれば良いけど
    JR北がやる気ねえからやらないだけ
    千歳に集約すれば他空港の利用者が減る
    京急は蒲田でスイッチバックして単線でやりくりしていたのを
    高架駅にする際に、複線(単線2本)化した
    運用能力がない会社に楽をさせる必要はない(怒)

  2. ホーム有効長は10両分はほしいね。6両までしか入れない、単線、行き止まり、乗り換えという縛りが全部取っ払われる上、エアポート以外も空港に停まるメリットは大きい。

    ただ、気動車の特急が地下の新千歳空港駅に乗り入れることになるから、排気対策は万全にしなければならない。

    本音を言えば、非電化の新函館北斗〜長万部〜東室蘭と南千歳〜帯広〜釧路を全部電化してほしいんだけど。その方が既存の電化区間も十二分に活用できるし、貨物列車も電気機関車牽引にできる。

  3. 北海道新幹線ができるというのに二重投資ではないか。

  4. 第一期工事としてとりあえず複線化と長大編成対応だけやってくれ、第二期工事分は30年後に改めて検討でいいや。

  5. 「自社単独では維持困難な路線」の廃止を防ぐためにもこのプロジェクトを成功させてください!!