タクシーの「合法的に乗車拒否」広まるか 背景に乗務員へのモラハラ、セクハラ問題

タクシー乗務員が利用者から「セクハラ」や「モラハラ」行為を受ける事例があり、業界ではこれに対し「合法的な乗車拒否」を可能にする動きが広がっています。何がどう変わっているのでしょうか。

「運送約款」に具体例とその対処を明文化

 タクシー乗務員が、客からモラルハラスメント、セクシャルハラスメント行為を受ける事例があるといいます。

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タクシー車内のイメージ(画像:Anurak Ponapatimet/123RF)。

 東京、横浜を中心にタクシー事業を展開する国際自動車(東京都港区)によると、たとえば禁煙車内での喫煙や、無理な要求を迫りドライバーを罵倒する行為のほか、女性ドライバーがお釣りを渡す際に手を握られたり、運転中に後ろから髪を触られたりするなどの事例があったそうです。

 同社はこのような事態に対応すべく、運送行為において企業と利用者のあいだのルールを定めた「運送約款」を2016年2月に変更し、乗務員が利用者からハラスメント行為などを受けた際の乗車拒絶や慰謝料請求、喫煙された際の清掃代請求などを明文化したといいます。たとえば次のような条文が運送約款に追記されました。

「ハラスメントがあった場合、運転者はハラスメントの中止を求め、旅客がこの求めに応じない場合には、運送の引受け又は継続を拒絶する他、運転者又は当社の判断において警察等へ通報します。またハラスメントにより生じた損害の賠償および、慰謝料を請求します。」(国際自動車「一般乗用旅客自動車運送事業運送約款」第4条の3)

 このように運送約款を変更した背景について、国際自動車に聞きました。

――どのような経緯で運送約款を変更したのでしょうか。

 職場環境を整えていく過程で、「乗務員の声」を集めたところ、乗務員がハラスメント行為に我慢を強いられていた実態が明らかになりました。たとえばお客様からセクハラ行為を受けても、営業所から「仕事しにくくなるから我慢しろ」と言われた経験を持つ者もいます。「それはよくない」ということになり、乗車拒否などの対処が合法的に可能になるよう、約款を変更しました。

――約款変更後、乗車拒否などを実際に行ったことはあるのでしょうか?

 いえ、約款変更から現在に至るまで、実際に乗車拒否などに及んだことはなく、お客様によるハラスメント行為も顕在化していません。変更から半年間は、具体的なハラスメント行為をイラストで示したお知らせを運転席ヘッドレストの裏に掲示しました。これによりお客様の理解が深まったこともありますが、犯罪行為が抑止できている要因は約款の内容だけでなく、車内を撮影するドライブレコーダーの存在も影響しているでしょう。どちらかが欠けていては、抑止効果が薄いのではないかと考えています。

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コメント

6件のコメント

  1. そうですね、ルールですね
    公共の乗り物は理由を明確にして合法化しましょう

  2. いい記事ですが、健在化→顕在化では?

    • ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。

  3. タクシー客の民度こんなに低かったのか

  4. 車内カメラの設置して有効に機能している証し
    密室でのやり取りで、言った言わない、やったやらないで運転手が泣いてきたことが多かったのだろう
    会社が強く出ても映像が残るので対応しやすいと言う事だ

  5. 空車表示で明らかな手振りで乗車拒否したバカ運転手も記録したらよ?
    こいつは回送に変えるの忘れたじゃすまされない法律違反だからね