正式廃止から1年、西武安比奈線はいま 半世紀前の遺構「撤去」始まる(写真17枚)

架線柱は完全に消滅するもレールは健在

 安比奈線の起点は、南大塚駅。下りホーム脇の、コンクリート枕木が積まれたスペースが、安比奈線の起点です。2017年までは、ここに安比奈線の起点を示す0キロポストがありましたが、いまは撤去されました。

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南大塚駅構内にあった0キロポストは撤去されてしまった(左:2018年4月、右:2017年5月、栗原 景撮影)。
線路は南大塚駅構内から分岐して左へカーブしていく。南大塚駅から延びるレールとその先のレールが食い違っている(2018年4月、栗原 景撮影)。

 枕木置き場の先から廃線跡が始まります。架線柱は撤去されたものの、レールは幸いそのまま。報じられた「設備の撤去」は、現時点では倒壊の危険がある架線柱などに留まっているようです。

 300mほど先で、安比奈線は国道16号を渡ります。1980年代までは車道にもレールが残っていましたが、現在は歩道で途切れています。

 国道16号を越えると、住宅地に入ります。踏切跡から線路跡を眺めていると、地元の住民らしき人が線路跡を歩いていました。沿線は狭い道が入り組んでいるため、特に入間川街道と国道16号を結ぶ近道として、線路跡を歩く人がいるのです。厳密には不法侵入であり、全国の廃線跡に共通する問題です。

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国道16号線との交差部付近。架線柱だけがすべて撤去された(左:2018年4月、右:2017年5月、栗原 景撮影)。
さび付いた桁が残る葛川橋梁(2018年4月、栗原 景撮影)。

 線路跡を歩いてみたいという誘惑をぐっとこらえ、市道に回って先へ進みます。南大塚駅から1kmほどで、軌道跡は住宅街を抜け田園地帯に出ました。この辺りは、入間川の流れが生んだ沖積平野です。立派な築堤が田畑の真ん中をまっすぐ北西に延び、葛川橋梁(きょうりょう)と呼ばれる立派なガーダー橋も残っています。

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コメント

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4件のコメント

  1. 跡地利用が決まってないのに樹木伐採とかどういうことなのよ

    • 現場をGoogleMapで見れば分かりますが樹木が茂っている所はごく一部です。
      あと、休止中(線路などの諸設備あり)と廃止後(線路などを撤去するので完全な未使用地になる)では固定資産税額の違いが半端ではない(数倍の差がある)のも理由の一つでしょう。田畑や雑木林や空き地だった所に戸建て住宅を含む建物が建ったり駐車場になっていたりするのは節税対策の一環でもあります(生前または遺産相続などを機に売却して手放すケースも含む)。

    • あとは飯能短絡線予定地をどうするか、ですね。

  2. 線路跡を歩くのが不法侵入だったら安比奈のヤード跡も西武建設の土地で不法侵入になるんじゃない?