正式廃止から1年、西武安比奈線はいま 半世紀前の遺構「撤去」始まる(写真17枚)

安比奈駅跡、今後の活用法は未定

 前方に、水道橋のアーチが見えてきました。雑草のなかに分岐器(ポイント)が現れ、ここからが安比奈駅跡のようです。南側に見える工場は、砂利や砂を生産する西武建材安比奈工場。西武鉄道の車両基地は、この工場周辺に建設が計画されていました。地図を見ると、車両基地の予定地に沿って周回道路が整備されており、その規模を伺うことができます。

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レールの向こうに西武建材安比奈工場が見える。車両基地はあの辺りに建設される計画だった(2018年4月、栗原 景撮影)。

 水道橋の向こうは、オフロードカーのコースになっています。2017年まで多数残っていた架線柱はすべて撤去されましたが、コンクリート構造物や一部のレールが現存。安比奈駅終端部近くには、貨車のピットも原型を留めていました。

 運行休止から55年を経た西武安比奈線。西武鉄道は、線路跡の活用については川越市などと協議して決めるとしており、川越市議会でもたびたび議題に取り上げられています。土地が市に譲渡されるかどうかもまだ決まっていませんが、市側は一部が遊歩道となった東武熊谷線などの事例などを先進事例として挙げています。

 戦前から戦後にかけて、各地に見られた川砂利採取用の貨物線。そのほとんどが完全に姿を消しており、原型を留める西武安比奈線跡は貴重な遺構です。一部にレールを残した遊歩道を整備するなど、その歴史を語り継いでほしいと思います。

【了】

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Writer: 栗原 景(フォトライター)

1971年、東京生まれ。旅と鉄道、韓国を主なテーマとするフォトライター。小学生の頃から各地の鉄道を一人で乗り歩き、国鉄時代を直接知る最後の世代。出版社勤務を経て2001年からフリー。多くの雑誌や書籍、ウェブに記事と写真を寄稿している。主な著書に『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)、『テツ語辞典』(誠文堂新光社/共著)など。

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コメント

4件のコメント

  1. 跡地利用が決まってないのに樹木伐採とかどういうことなのよ

    • 現場をGoogleMapで見れば分かりますが樹木が茂っている所はごく一部です。
      あと、休止中(線路などの諸設備あり)と廃止後(線路などを撤去するので完全な未使用地になる)では固定資産税額の違いが半端ではない(数倍の差がある)のも理由の一つでしょう。田畑や雑木林や空き地だった所に戸建て住宅を含む建物が建ったり駐車場になっていたりするのは節税対策の一環でもあります(生前または遺産相続などを機に売却して手放すケースも含む)。

    • あとは飯能短絡線予定地をどうするか、ですね。

  2. 線路跡を歩くのが不法侵入だったら安比奈のヤード跡も西武建設の土地で不法侵入になるんじゃない?