JR九州、中国アリババと戦略的提携 送客100万人、経済効果1500億円以上へ

JR九州と、世界最大の流通総額を持つオンラインモバイルコマースカンパニーの中国・アリババグループが戦略的提携を発表。九州を『キャッシュレス観光アイランド』とし、中国からの訪問者100万人を目指します。

中国からの訪問客は少なくないが、その内容に課題がある九州

 中国からの訪日客数は736万人で、うち九州へは185万人と25%を占めます。ただし九州へはクルーズ船利用者が多く、それを除くと533万人(日本全国)に対し23万人(九州)。4%程度と低くなっています。つまり、多くが寄港中の一時上陸になってしまっているのが現状です(数字は2017年)。

「クルーズ船の乗客や船会社に聞くと、それほど九州に魅力を感じなかったという方が多く、リピーターの獲得につながっていないようです。ただ九州に住む者にとって、そうしたクルーズ船の乗客に『九州の良さ』を知ってもらえているかは疑問です」(JR九州 唐池恒二会長)

 中国からの九州訪問客は少なくないものの、大多数が一時上陸のため九州全体の活性化につながっていないほか、リピーターの獲得にもつながっていない状況で、それを変えていく形です。

 訪日中国人客の消費金額が15万円から20万円とされるなか、目標の100万人を達成すれば経済効果は1500億円から2000億円。唐池会長は「九州の良さ」を知ってもらえる商品を作るなどし、「何としてもこのプロジェクトを成功させたい」と話します。

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九州各県とアリババのキャラクターも集まり、福岡市内で行われた提携発表会(2018年7月23日、恵 知仁撮影)。

 事業スキームは、JR九州が“旅マエ(旅の前)”に「モデルルート提案」「D&S列車(観光列車)などのリソース提供」「九州の旅行商品仕入れ支援」を、“旅ナカ(旅行中)”に「JR九州のグループ会社を含む、地域企業への『アリペイ』導入促進支援」を実施。

 そしてアリババが“旅マエ”に「アリババグループのデータテクノロジーを活用した、日本と親和性の高い中国人観光客の発見と送客」「出店者との協働による旅行商品販売」を、“旅ナカ”に「『アリペイ』利用環境整備による決裁利便性強化と、アリペイ加盟店の集客サポート」を実施する、というもの。

 具体的な送客イメージは、「フリギー」が出店企業と協働で、九州の観光スポットを結ぶモデルルートを造成し、そのモデルルートに沿ったパッケージ旅行商品や交通チケット、宿泊などの商品を、サイト内でダイレクトに販売する形。利用者は気に入ったモデルルートを参考に、九州の観光路線を自由に組み合わせることで、各自で九州旅行を楽しめるといいます。

【了】

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Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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