【空から撮った鉄道】可動橋を走る貨物列車 セメント車をひくDD51を捉えた!

日本で唯一現役の鉄道用可動橋「末広橋りょう」。この可動橋が降りてDD51けん引の貨物列車が通過する姿を狙いました。

国内唯一となった現役の鉄道可動橋

 日本には鉄道可動橋がいくつか存在しました。そのほとんどは運河の埋め立てや路線廃止などで消滅しましたが、現在でも唯一現役の可動橋があります。三重県四日市市にある「末広橋りょう」です。

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末広橋りょうを渡る貨物列車(2014年7月、吉永陽一撮影)。

 末広橋りょうはJR四日市駅から四日市港まで伸びる貨物線(通称「四日市港線」)の可動橋。DD51形ディーゼル機関車がけん引するセメント輸送の貨物列車がここを渡ります。

 末広橋りょう1931年に完成した跳ね上げタイプの可動橋で、中心部が片側に跳ね上がる仕組みです。橋の長さはDD51 の2両分ちょいでして、そんなに大きな橋ではありません。

 グレー色に塗られた橋の桁は通常では上がっている状態で、貨物列車が通過するときだけ下がります。現在は経済産業省の近代化産業遺産に指定され、また日本唯一の存在ということもあって、鉄道ファンだけでなく多くの方々に注目されています。

 私が初めてその姿を見たのは、たしか1997(平成9)年のころ。DD51を撮影するついでに訪れたことがあり、その当時はまだマニアックな方々にしか注目されていない存在でした。

ハードスケジュールのなかで四日市へ

 2014年7月。私は新しい「空鉄」本のために中京圏を飛びました。中京圏のJR、新幹線、私鉄をターゲットに4時間強のフライトを組んでの空撮です。

 予報と天気図を注視し、天候が安定している日を狙って名古屋へ。プランは名古屋~稲沢~岐阜羽島~関ヶ原~米原~新藤原~四日市~末広橋りょう~桑名~名古屋という、グルっと中京圏と米原を巡る計画です。ガチガチにプランを組んだため、どれかがコケたら狂ってきますが、ある程度は成り行きにして機内で臨機応変に対応しようと決めていました。このなかで明確に時刻が決まっていたのは末広橋りょうでした。

 撮影は難なく進行し、大垣から一気に南下して三岐鉄道経由で四日市へ。関ヶ原では雲が湧いていましたが、四日市は快晴で視程50kmほどの視界があり、空撮の条件としては申し分ない天候です。末広橋りょうはグレー色なので上空からだと地表と同化しやすいのですが、地図と眼下の埋立地の形状や自機の場所を確認してすぐ見つけられました。

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まずは末広橋りょうの位置を確認。橋桁が降り始めた。(2014年7月、吉永陽一撮影)。

 ところで、現在地がどこで被写体がどこか、GPSが発達した現在でも地図と自機の場所を把握しておく感覚は必要です。私は自機と被写体の位置高度関係から光線や周囲の環境(例えば列車が隠れる建物があるかなど)を考えて、どう撮るか機内でイメージし、パイロットへどうやって機体を持っていって欲しいか伝えます。眼下の被写体を撮ったものはどう発表するか、飛行機が旋回しているあいだに妄想しながら(笑)、撮影に挑みます。

飛行機がグルグル、カメラもグルグル

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Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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