1日たった2往復の地方空港、「養蜂」に活路のナゼ 知名度アップへ滑走路マラソンも

「空港養蜂」の着想はどこにある?

 石見空港はさらに、従来のビン詰めとプラ容器詰めの「空港はちみつ」に加え、スティックタイプの容器に詰めた「そらはちスティック」も新商品として2018年から発売。こちらは携行しやすく、エネルギー補給に役立つとして、日本災害食学会から「日本災害食」に認定されています。

 このように石見空港の「空港はちみつ」は一定の成功を収めているようですが、空港で養蜂を行うというのは日本初の試み。一見ミスマッチなこの組み合わせ、どのようにして思いついたのでしょうか。

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ビン入りは130gで1000円、プラ容器入りは300gで2300円。いずれも税込(画像:石見空港ターミナルビル)。

 じつは、空港養蜂はヨーロッパを中心に、いま広がりを見せているのだとか。その先駆けであり、最も発展しているのは養蜂が盛んなドイツ。ドルトムント、ブレーメン、デュッセルドルフ、ミュンヘン、ドレスデンなど、主要な空港の敷地内で養蜂家がミツバチを飼育しているほか、アメリカなどでも、地元の非営利団体と協力して養蜂箱を設置している空港がみられます。

 ミツバチの活動範囲は半径数キロに及び、その範囲に農薬を使用している田畑があると、汚染され死んでしまいます。そのため広範囲に未利用地が広がる空港は、養蜂に適した立地なのです。近くに住宅が少なく、迷惑をかける心配がないのも強みです。

 こうして広がった空港養蜂ですが、アジアではまだ普及していません。石見空港の養蜂事業は日本のみならずアジア全体を見渡してみても、初の試みなのです。

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