無印良品がバスをデザイン、どんな車両に? 寒冷地で実験運行、異色コラボ実現の背景

無印のバス、どんなデザイン? じつは以前にもクルマに関与

――これまでに交通の分野に関与されたことはあったのでしょうか?

 無印良品として、交通の分野におけるプロダクトに新しくデザインを起こしたのは今回が初めてです。社会課題の解決につながる取り組みに参加できる場合には、交通に限らず、広く可能性を探っていきたいと考えています。

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 良品計画によると、フィンランドはすでに法律上、公道を走る乗りものに必ずしも運転手が乗車している必要がなく、自動運転車実験のしやすい環境にあるのだとか。「MaaS(Mobility as a Service/利用者の目的や嗜好に応じて最適な移動手段を提示するサービス)において最先端の国でもあり、自動運転の実用化実験に向けたプラットフォームが整っています」と話します。

 今回発表された「Gachaシャトルバス」は全長4.5m、全幅2.5m、全高2.8m、定員16名(座席数10、立ち乗り6名)という小型車両。詳細はまだ明らかにはされていませんが、「使う側の立場で徹底的に考えたデザイン」といい、「前後のないミニマルでフレンドリーな形」「照明とコミュニケーションスクリーンが一体となったLEDのライトベルト」「内装に沿ったラウンド型のベンチシート」がポイントだそうです。駆動装置は電動の4WDで、自動運転での最大速度は40km/h。急速チャージにより100km以上の走行が可能だといいます。

 ちなみに、無印良品は交通の分野は初参入ではあるものの、じつは以前、クルマを販売していたことがあります。日産の2代目「マーチ」をベースにした「MUJI Car 1000」です。セカンドシート素材だけをビニール表皮として価格を抑えるなど、簡素で無駄なく、実用的なデザイン便利なベーシックカーという無印良品のコンセプトが反映されたオリジナルカーで、2001(平成13)年に限定1000台で発売されました。

 それから17年を経たいま、良品計画は「今後の『車両』のあり方として、個人所有ではなくシェア、公共という形があるべき姿ではないかと考えています」と話します。なお、「Gachaシャトルバス」の日本での展開については、まだ何も決まっていないとのことです。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 公道上を走行する自動運転については車両を改造するより、道路を改造した方が手っ取り早いと聞いた事が有ります。

    交通量の少ない道路なら自動運転させやすそうですが、フィンランドでは気象条件などが厳しいでしょうね。

    今後に期待したいです。

  2. 無印さんに限らずだけど命関わるところで「デザイン全面」は止めようよ……。まぁ現地企業の意見がきっちり入ってくれるなら問題ないけど、意見の通り具合が現地企業<無印さんだと最悪、無印さんの企業生命止めちゃうからね……。