足広げる人、荷物置く人…電車の座席に定員きっちり座れない問題、対策はあるのか 座席そのものも進化

これなら詰めて座ってくれる? 進化する車両

 こうした乗客の不満に対し、鉄道会社はどう対応しているのでしょうか。

 東京メトロでは、駅などに月替わりで掲示するマナーポスターで「詰めて座る」ことについて啓発しているほか、車内放送でも随時呼びかけを行っているといいます。同様にマナーポスターで座席の座り方について訴えている西武鉄道では、「長い座席は〇人掛け、短い座席は〇人掛け」と定員を示しつつ、詰めて座ってもらえるよう車掌がアナウンスしているそうです。

 車両も進化しています。座面も背もたれもフラットな古いタイプのロングシートに対し、着座位置に合わせて背もたれや座面がややくぼんだ「バケットタイプ」と呼ばれるロングシートが近年増えてきました。これは、ひとりひとりの体にフィットすることで快適性をアップさせているだけでなく、着座位置を明示する意味合いもあるといいます。

 東京メトロでは1990(平成2)年以降に製造した車両にバケットタイプのシートを導入。定員分が座れないという乗客の声を受けて対策を検討し、バケットタイプのシートが最適であるという結論に至ったそうです。2018年11月現在では、約82%の車両がバケットタイプとのこと。

 西武鉄道では、2000(平成12)年導入の20000系電車からバケットシートを標準としているほか、古い車両でも順次、シートをバケットタイプへ置き換えているそうです。置き換えられていない車両でも、背もたれ部分に模様をつけて着座位置を示しています。

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着座位置に合わせて座面や背もたれにくぼみがついたバケットタイプのロングシート(2018年11月、中島洋平撮影)。

 ちなみに、2000年代前半の「駅と電車内の迷惑行為ランキング」を見てみると、「座席の座り方」に次いで「所構わず座りこむ」という項目が上位に来ていることがありました。しかし、この「所構わず座りこむ」あるいは「電車の床に座る」はだんだんとランクを下げ、2017年版では12位になっています。

「ランキングはお客様からよくいただく声が反映されています。たとえば近年はリュックを利用される方が増えたので『荷物の持ち方・置き方』が上位になっていますが、このように時代によって皆様が“気になるポイント”が変わってくるのでしょう」(日本民営鉄道協会)。

 電車の床に座る人があまり目に着かなくなった一方、座席に詰めて座らないことについては、状況があまり変わっていないのかもしれません。

【了】

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コメント

7件のコメント

  1. 東急の一部の車輌の座席に付けてる、7人用シートを4:3に分割する小さな衝立は、3:2の5人用となってしまい意味がないどころかむしろ有害。
    大阪環状線では優先席には一人分の幅に衝立を設けたそうで、全座席にこれを付ければ定員が守られるのではないか?

  2. 毎日のように西武鉄道を利用しております。
    【マナーポスターで座席の座り方について訴えている西武鉄道では、「長い座席は〇人掛け、短い座席は〇人掛け」と定員を示しつつ、詰めて座ってもらえるよう車掌がアナウンスしているそうです。】
    このように記事は書かれていますが、マナーに関する車掌アナウンスはほとんど聞いたことがありません。
    よくて、1週間に1~2回マナーに関するアナウンスを聞くぐらいです。
    特に、混雑した区間での朝の通勤時間帯ではほとんど聞く事はありません。
    何とかしてもらいたいものです。

  3. 4扉通勤電車の扉間の座席は「7人掛け」となっていますが、実際には6人程度で座っていることが多いです。
    ただ、扉と座席の間に「隙間」があるので、その空間も座席として用い、一席あたりの座席幅を広げたり座席形状の工夫で定員着席をさせるようにしていく。 こうすることで 実質的な着席定員を増やす取り組みが行われてほしいものです。

    • 通勤車両では扉と座席の間のスペースは20cm程度ないと乗降に支障が出ます。扉脇に立つ人をなくすことはほぼ不可能なためです。実際、扉脇のスペースを削って8人掛けを狙った東急8500系は、後に7人掛けへの仕様変更を余儀なくされています。

  4. 東急などのロング/クロス切り替え車では扉間が6人掛けになるが、それでロング車の7人掛けとほぼ同じスペースであり、7人掛けに無理がある。

  5. 座席幅について。
    1人あたりの座席幅も徐々に拡大し、昭和末期の標準は約43cm(3mに7人)でしたが、平成の主流は45~46cmで、これに区切りを入れるのが座席定員と定員着席の兼ね合いで落としどころとなって来ました。
    当然これより狭いと定員着席は困難で、営団→メトロ7000系初期車の7人掛けや東急8500系初期車の8人掛け相当は定員着席がほぼ不可能でしたし、車端部4人掛けを実現するために44cmで設計した京王8000系や小田急1000系は混雑の助けもあって定員着席が多く見られるものの、相当窮屈です。
    平成末期に至り、46cmを超える設計も増えてきたものの、座席定員の減少が顕著になり、例えば都営5500形は座席幅47.5cmの実現と引き換えに扉間8人掛けから7人掛けへと座席定員が減少しています。
    この座席幅は国内線航空機や東海道新幹線N700系B列より広い値であり、さすがにやり過ぎでは、と個人的に思っています。

    • 訂正:国内線航空機や東海道新幹線N700系の値は肘掛幅を含まない値のようでした。実質占有幅はもっと広いことになります。失礼しました。