FAST-Force指定掃海艇「いずしま」はどう機能した? 北海道地震、発生からの1週間

「いずしま」支援活動開始

 支援物資を搭載した「いずしま」の向かった先は、震源に近い苫小牧港でした。苫小牧港に入港したのは6日の15時20分頃で、港湾事務所との調整もスムーズに進み、特に支障なく接岸できたといいます。

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苫小牧港に接岸した「いずしま」(矢作真弓撮影)。

 苫小牧に向かった理由は、震源地に近いということと、大きな道路が走っているため、物流経路の確保が容易と考えられたからだそうです。また、甚大な被害を受けた被災地近傍の大きな港は苫小牧港しかなく、ほかに適当な場所も見当たりません。出港当時は被災地の細部の状況は不明確であったために、苫小牧港を選定したのは不幸中の幸いだったといえるでしょう。実際に現地を訪れた筆者(矢作真弓:軍事フォトライター)も、苫小牧港であれば広い駐車場もあり、被災者の送迎にも適した場所であると感じました。

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「いずしま」艇内2か所の浴室いずれも開放された(矢作真弓撮影)。
洗濯機と乾燥機も無料でサービス(矢作真弓撮影)。
休憩室に準備された軽食のおにぎり(矢作真弓撮影)。

「いずしま」が行った被災者支援は、艇内の入浴施設の開放や、艇内の休憩所におけるおにぎりやお茶など軽食の提供です。ほかにも接岸した岸壁上に簡易テントを展開して、艇内から電源を引っ張り出し、携帯電話の充電サービスなども実施しました。

 これらの支援は多くの被災者に利用され、開始した7日には53名に対する入浴支援と、77名に対する携帯電話などへの充電支援を行っています。また、被害の大きかったむかわ町や安平町に対して、682個のおにぎり、78枚の毛布、960個のカップめん、3450膳の割り箸、300個の単3電池を支援物資として提供しています。

 翌8日には、苫小牧市内での停電が解消したため、携帯電話などへの充電希望者はいませんでしたが、24名の入浴を受け入れています。また、9日には29名の入浴を受け入れ、20リットルの給水支援も行っていました。

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コメント

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1件のコメント

  1. 難しい問題ですね。
    陸海空で海上自衛隊は最も人材確保に苦労している筈。大型艦にばかり世間の注目が集まりますが、此の手の小型の支援船舶の活躍にも注目して欲しいです。