太郎丸エンゼルランド、スクリーン…全国にあるユニークな「カタカナ駅」

紛らわしくて消えたカタカナ駅も

 一畑電気鉄道(現在の一畑電車)は2001(平成13)年、松江市内にある古江駅を「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前駅」に改称。近くに建設された美術館のオープンにあわせて名前を変えています。当時は表記18字、記号を含む読み仮名25字で、日本一長い駅名でした。現在は美術館の閉館で「松江イングリッシュガーデン前駅」に再改称されています。

 弘南鉄道の「田んぼアート駅」(青森県田舎館村)は、原則として4月から11月まで営業。色の違う稲を植え分けることで水田に絵を描く「田んぼアート」が行われている地域に設置されました。

 ちなみに、カタカナを含んだ駅名で最も古いのは、1874(明治7)年に開業した「西ノ宮駅」(現在の西宮駅)と「三ノ宮駅」。これは「にしみや」「さんみや」などと誤読しないよう、カタカナの「ノ」を加えたものと思われます。

 カタカナを当てた外国語を含む駅名としては1915(大正4)年、現在のJR大糸線(一部)を運営していた信濃鉄道が「アルプス追分駅」(現在の長野県安曇野市)を開業しています。駅の西側に広がる北アルプスに由来していますが、登山口の最寄り駅と勘違いして下車する客が多かったようで、4年後の1919(大正8)年には現在の「安曇追分駅」に改称されました。

 全ての文字がカタカナの駅名は1922(大正11)年、北海道鉱業鉄道(のちの北海道鉄道)の金山線に開業した「ニナルカ駅」(現在の苫小牧市)が最古とみられます。ニナルカは「高台」を意味するアイヌ語です。1943(昭和18)年には金山線の国有化にあわせて漢字の「静川駅」に改称され、ほどなくして駅自体が廃止されました。

 JRの前身である国鉄線では1968(昭和43)年、函館本線の狩太駅(現在の北海道ニセコ町)が、地元の要望を受けて「ニセコ駅」に改称されました。このころ、スキー場の開発が進んでいた付近の山(ニセコアンヌプリ)にちなんで名付けられたもの。JRの駅では国鉄時代も含め、最も古い「全文字カタカナ駅」です。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. そして忘れ去られるマキノ。(笑)