懐かしの「JALのカバン」、それが物語る「日本人と海外旅行」の半世紀(写真31枚)
航空会社のロゴマークなどがプリントされた「エアラインバッグ」。かつて海外旅行が「高嶺の花」だった時代は、JALのエアラインバッグを持って街を歩くことが「ステータス」だったそうです。そもそも、どのような目的で作られていたものなのでしょうか。
正式には「オーバーナイトバッグ」、その目的は
かつてJAL(日本航空)が協賛したテレビのクイズ番組では、優勝者に賞品として「JALで行くハワイ旅行」とともに、JALのロゴマークが配されたバッグが手渡されることもありました。
JALをはじめ、このような航空会社のロゴマークが描かれたバッグは「エアラインバッグ」「フライトバッグ」などと呼ばれ、現在、雑貨店やインターネットの通販サイトなどで中古品が多く販売されています。「ビートルズ」が来日した1960年代にJAL機の搭乗風景などを撮った写真にも、人々がこのようなカバンを肩にかけ、飛行機に乗り込む姿が見られます。
しかしJALでは現在、このようなエアラインバッグを生産していないとのこと。そもそも、どのような目的で作られていたのでしょうか。
日本旅行作家協会の会長を務めた精神科医の故・斎藤茂太さんの「エアラインバッグ・コレクション」を保有するNPO法人「羽田航空宇宙科学館推進会議」によると、エアラインバッグは「国際線での機中泊に必要な身の回りの品々を入れるためのバッグ」で、正式には「オーバーナイトバッグ」と呼ぶのだそうです。
JALは、日本の航空会社として初めて国際線の運航を開始した1950年代からエアラインバッグを製造し、国際線ファーストクラスの搭乗客に配布していたとのこと。「当時は飛行機に乗ること、海外に行くことが一般的でない時代だったこともあり、このようなグッズを作り、お客さまへご提供したのでしょう。また、JALの就航当時は海外のエアラインを参考にしており、海外各社にならってバッグも作られたのではないかと考えられます」と話します。
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