スマートIC、急速普及の背後に「ゲートで一旦停止」の理由 いまや全国110か所超
ETC車のみが利用できる「スマートIC(SIC)」は2019年1月現在、全国の高速道路に110か所以上。今後、新形態のSICも登場するなど、あり方も多様化する見込みです。
「高速道路が通っていてもICがない」を変えたスマートIC
2019年3月9日(土)に東名高速の足柄SA(上り:静岡県小山町、下り:同・御殿場市)に接続する足柄スマートIC(以下SIC)が、3月17日(日)には本線に接続する舘山寺SIC(浜松市西区)がそれぞれ開通します。どちらもETCを搭載した全車種が24時間利用可能で、全方向の出入りに対応したSICです。
SICは、原則としてETC車の利用に特化した簡易的なICのこと。前出の足柄SICは、下り線で次の御殿場ICまで3kmほどと近接していますが、そのあいだにある大型商業施設を発着する交通などを分散させ、御殿場IC付近の渋滞を緩和する狙いがあります。NEXCO中日本によると、足柄SICができ高速道路へのアクセス拠点が増えることについて、バス事業者や物流事業者、救急搬送に関わる医療関係者などから期待が寄せられているそうです。
SICの設置は、地方自治体レベルでの設置計画を受け、国が準備段階調査を行ったうえで必要性を判断し、認可するという手順を踏みます。2004(平成16)年から社会実験が行われ、その後、本格運用へ移行、2009(平成21)年には社会実験を経ずに導入できるようになり、2019年1月現在、東名高速では6か所、全国では110か所以上設置されています。
社会実験当時について記した、国土交通省 国土技術政策総合研究所の資料によると、当時の高速道路におけるICの設置間隔は約10km。欧米諸国の平均設置間隔4~5kmと比較すると大きな差があり、高速道路が通過する市町村の約4割にはICがなかったといいます。高速道路の利便性向上だけでなく、地域の経済を活性化させるためにも、「追加ICの整備が待たれている」としていました。
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