スマートIC、急速普及の背後に「ゲートで一旦停止」の理由 いまや全国110か所超
「一旦停止」でコスト減 全国に普及
そこで、ICを増やす施策としてSICの導入が検討されました。国土技術政策総合研究所によると、非ETC車にも対応する有人料金所を基本としていた従来のICに対し、SICは約3分の1の用地で設置可能。料金所の無人化で管理コストも削減できるというわけです。
また、通常のIC料金所におけるETCレーンは停止せずに通過できますが、SICでは「一旦停止運用」が基本、これは社会実験当初に導入されたひとつの仕様です。通常のETCゲートは4台の車両検知器で車両の位置を管理しながらノンストップで通過させるところ、検知器を1台にし、車両停止後に道路側の設備と車載器の通信を行うこととしています。こうして設備の費用も低減させ、全国への導入が図られました。
現在、SICの種類としては、足柄SICのようにSAやPA内に設けられる「SA・PA接続型」と、舘山寺SICのように本線へ直接アクセス路を接続させる「本線直結型」のふたつがあります。今後は新たに「民間施設直結型」も登場する見込みです。
これは、高速道路の近くに位置する民間商業施設や、物流拠点、工業団地などと高速道路を直結するSICです。「民間の発意と負担により整備」「高速道路を活用した企業活動を支援し、経済の活性化を図る」というもので、2018年8月に2か所が認可され、事業が進められています。
このうち、最初に認可された三重県多気町で建設中の多気SIC(仮称)は、合同会社 三重故郷創生プロジェクトが建設する温泉施設「アクアイグニス多気」に直結します。なお、本線上などに設置される案内看板には、IC名(地名)だけでなくその施設名も表示されます。
2019年1月現在、オープンに向け事業が進められているSICは全国に58か所(既設のSICを全方向対応にする「フル化事業」中の箇所含む)。事業認可に向けた準備段階調査中のSIC予定地も6か所あるなど、今後さらにSICが増えていく見込みです。
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