姫路沖で複数社が火花「家島諸島航路」 競合ゆえの利便性と「落とし穴」、その将来は
兵庫県の姫路港に発着する家島諸島への航路は、小さな島々へ合計4社が競合して運航。それゆえ本数は多いものの、利用者にとって不便な場面も。離島航路を将来にわたり維持するうえで、この競合関係がひとつの「壁」となっています。
家島行きと坊勢島行き、どちらも2社が独立して競合
兵庫県姫路市の沖合およそ18km、播磨灘に浮かぶ大小44の島々を家島諸島と呼びます。行政区域としては各島とも姫路市に属し、4つの有人島に約6000人が生活。採石業や造船業、海運業が盛んな家島と、兵庫県でもトップレベルの漁獲高を誇る坊勢(ぼうぜ)島が代表的な島です。
家島と坊勢島へは、姫路港から船を利用します。家島へは、島の中心地である真浦港を経て宮港まで「高速いえしま」と「高福ライナー(「高」ははしご高)」の2社が、坊勢島へは「坊勢汽船」と「輝(ひかり)観光」の2社がそれぞれ運航。同一航路で複数社が並立する場合、「共同運航」という形が採られることがありますが、ここでは各社が独立して運航し、競合しています。
では、各社どのような違いがあるかというと、使用する船舶のほかは、坊勢島への航路で坊勢汽船の便が一部、途中で男鹿島(たんがじま)へ立ち寄るのに対し、輝観光は全便が直行する、という程度です。なお、もうひとつの有人島である西島へは、兵庫県立の自然体験センター利用者向けに坊勢汽船と輝観光が坊勢島から延長運航しますが、定期便はごく限られます。
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