姫路沖で複数社が火花「家島諸島航路」 競合ゆえの利便性と「落とし穴」、その将来は

兵庫県の姫路港に発着する家島諸島への航路は、小さな島々へ合計4社が競合して運航。それゆえ本数は多いものの、利用者にとって不便な場面も。離島航路を将来にわたり維持するうえで、この競合関係がひとつの「壁」となっています。

ダイヤは便利だが「乗船券は別々」という落とし穴

 2019年1月現在、姫路~家島間には2社合わせて15.5往復、姫路~坊勢島間には同じく14往復(うち4往復が男鹿島経由)が運航され、どちらも土日などには1往復増便されます。島からの始発便は6時過ぎ、姫路発の最終便は20~21時台と、本数、運航時間帯ともに地方の交通機関としては比較的便利なほうでしょう。どちらも競合路線ながら、運航ダイヤは共同運航のように各社で時間が近接しないよう割り振られており、運賃も同額です。

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姫路港の出航案内表示。先発・次発便の会社が明記されている(石川大輔撮影)。

 姫路港では、ターミナルビルで乗船券を購入します。各社のダイヤは前述のとおり調整されており、方面別に出航時間と社名が大型ディスプレイで表示されるものの、乗船券の共通利用ができないことが、各社の「競合」を物語っています。つまり、直近の船がどちらの会社かを確認したうえで、その運航会社の券売機で買う必要があるのです。

 割引のある往復乗船券も設定されていますが、当然ながら帰りも同じ会社の便を利用することになるため、島を出る時間がはっきりしない場合は不向きです。これは島で乗船券を購入する場合も同様。共同運航という形態を採っていないがゆえの、意外な「落とし穴」かもしれません。

【写真】4社がひしめく家島諸島航路、こんな船で運航

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